エン・ジャパンは11月14日、同社が運営する日本最大級の派遣のお仕事まとめサイト『エン派遣』上で、現在、派遣社員としてサイト利用者を対象に「同一労働同一賃金」についてアンケート調査結果を発表した。

それによると、“同一労働同一賃金“について、概念を正しく理解している人は2割に留まった。8割が“同一労働同一賃金“の考え方に肯定的だった。(※本調査は、316名から回答を得た結果。)

周知は未だ約2割。進んでいない同一労働同一賃金の認知

まず、「“同一労働同一賃金”について知っていますか?」と尋ねたところ、「言葉も意味も知っている」が23%。「言葉は聞いたことがあるが意味はよく知らない」(40%)、「知らない」(38%)が8割を占めていた。同社では、この結果から“同一労働同一賃金”の周知が、まだ進んでいないとみている。

また、この“同一労働同一賃金”の考え方について、74%が「良いと思う」と回答した。

肯定的な理由を聞くと、『業務内容が同じなのにも関わらず待遇に差が出ることは前々から不満に感じていた点だったので、解消されれば嬉しい』(27歳女性)、『正社員と同じか、それ以上の仕事量をしているのに、給与や賞与で待遇に差が出るのはおかしい。解消されれば仕事へのモチベーションも上がると思う」(32歳女性)といった、現状の不平等感を訴える声が多く挙がったという。

そして、“同一労働同一賃金”の導入が進むことで期待することを聞いたところ、第1位は「賞与の支給」(80%)だった。

こちらの項目では、『ボーナスがないと、生活するのに精一杯になってしまう』(23歳女性)、『賞与があることで、しっかりと評価をされる機会が設けられると思うから』(35歳女性)といった声が寄せられたという。

第2位は「給与アップ」(71%)だった。『給与が上がれば、働くモチベーションにつながる。もっと給与を上げるために、社内外の勉強会にも積極的にでるようになると思う』(25歳女性)、『給与の格差が埋まれば、正社員の方に感じる壁もなくなると思う』(34歳女性)といった声が挙がった。

同率第2位は「交通費の支給」(71%)だった。『交通費がかかると、仕事選びも制限が出てきてしまう』(26歳女性)、『交通費が課税対象になってしまっている現状を解消したい』(39歳女性)といった声が寄せられた。

賃金の違いで納得できる仕事上の差は「責任の重さ」

さらに、「賃金の差について、仕事上のどのような差なら納得できますか?」と聞いた。その結果、もっとも多い回答は「仕事への責任の重さ」(69%)だった。次いで「役職の有無」(67%)、「資格やスキルの有無」(60%)が続いた。

以下でこの調査に寄せられた“同一労働同一賃金”に関して、不安なこと・気になることを紹介する。

○今は非正規から正規になりたいと頑張っているが、“同一労働同一賃金”が導入されたら、みんな正社員になりたいと思わなくなるのではないかと感じる。(23歳女性)

○非正規社員の給与を上げるにあたり、正社員の賃金が下がったり、待遇が悪くなってしまうのではないか。(25歳男性)

○正社員にばかり責任ある仕事のしわ寄せがくるのではないか。社員になる必要がないという考え方の人が増え、派遣やバイトといった雇用形態を選ぶ方が増えたら、正社員1人当たりへのしわ寄せが、さらに大きくなるのではないかなと思います。(26歳女性)

○“同一労働同一賃金”には賛成だが、年功序列制度が完全に撤廃されて、能力だけで賃金が決まるようになれば、今度は、能力が発揮できないという理由で、生活が脅かされることになるのではと不安を感じる。(32歳女性)

○現状でも、労働法や派遣法が守られていないと感じている。果たして本当に実現できるのか、疑問。(39歳男性)

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