「VRを使ってハイパフォーマンス人材の動作・思考をコピーする」というコンセプトで設計されたVR研修支援サービス”HEKIRA”の提供開始が2018年11月13日、蒼より発表された。

同社によれば、VRでハイパフォーマンス人材の動作や思考を再現するサービスは、日本初の取り組みとのことだ。

HEKIRAが提供するVR研修用教材の2パターン

HEKIRAによるVR研修用教材には、以下の2パターンがあるということだ。蒼では顧客の要望をヒアリングし、最適なかたちで納品を行うという。

  1. 基本的な手順や知識の伝達 – 汎用的な技術に関するVR研修

    VRは空間的な作業が求められる業務や、複雑な工程を含んだ業務の体験に優れている。飲食業界での調理手順、小売店・宿泊施設での接客、工場での作業手順、営業マナーといった、VRで仮想体験が適した業務を研修するための教材を作成・提供する。
  2. ハイパフォーマンス人材独自のノウハウ伝達 – 俗人的な技術に関するVR研修

    「ハイパフォーマンス人材のスキルコピー」を実現した日本では初めての研修用教材の作成。工場で働くベテラン技術者、特に優れた成績をあげる営業マンなど、伝達が難しい独自のノウハウをもつ人材の視界を再現した動画を撮影。

    インタビューでその知見を言語化して、VRによってその動作や思考を追体験できる教材を作成・提供する。人材の離職によって失われてしまう属人的な技術を、資産として社内へ蓄積することを可能とする。

指導コストがほぼ”0”に – HEKIRAの導入事例

2018年11月13日の本格提供開始に先立ち、蒼では複数社に対しHEKIRAの提供を進めてきた。その1つが2018年10月にハンバーガーショップ「バシバーガーチャンス」へHEKIRAを提供した事例である。

バシバーガーチャンスには、ハンバーガーの調理方法を伝達するためのVR研修用教材を作成・提供。同社の代表取締役社長・橋谷氏は、以下のようにコメントをしている。

「作業のポイントを説明してくれて指導のコストがほぼゼロになりました。うちのハンバーガー屋は複雑な作業がなく、とても相性良くバイトの学習に使わせてもらっています。」

このほか、全国展開しているリラクゼーション企業や大手宿泊施設など、複数社で導入に向けたプロセスが進行中だ。

“HEKIRA”が解決する業務研修の課題

HEKIRAは、VRによって熟練者の動作や思考をコピーするというコンセプトの研修支援サービス。飲食店の調理や小売店・宿泊施設での接客、営業活動を行う上でのマナーなど、座学でコーチングするのが難しい業務がさまざまある。

そういった業務をFace To Faceで実践するのにも多大なコストがかかる。

HEKIRAは、これら業務研修の課題を解決するという。VRではあたかも実際に業務を行っているような没入感が得られるので、空間的な作業をともなう業務の研修に適しているとのことだ。

くわえて重要なポイントについては、VR上でコメント表示したVR動画を作成することが可能。

ベテラン技術者、高い実績を持つ営業マンのような「この人のスキルをほかの社員にも伝達したい」というエース社員がいれば、その人の視界や思考をVR上で追体験できる動画を作成可能だという。

img:PR TIMES