日本能率協会総合研究所(JMAR)は、日本国内のQRコード決済市場を調査し、市場規模を推計した。
QRコード決済市場概況は以下のとおり。
- 2023年の国内のQRコード決済市場は約8兆円
- 中国を中心とした訪日外国人対応により導入店が増加
- 2020年の東京五輪によるインバウンド需要、政府のキャッシュレス推進方針が市場を後押し
- Origamiのほか、LINEや楽天、NTTドコモといった大規模企業が参入
QRコード決済は、2016年より中国で急速に普及したことで注目を集めている決済手法だ。
中国でQRコード決済が急速に普及した要因として、偽札の存在により現金の信用が低いこと、スマートフォンが普及したこと、そして中国で広く利用されている「WeChat Pay(微信支付)」、「Alipay(支払宝)」などのツールがQRコード決済機能を実装したことが挙げられる。
今や中国の都市部では、QRコード決済が利用できないと生活できないといわれるほど浸透している。
IC乗車券や電子マネーで日本でも広く採用されているFeliCaや、「Apple Pay」で採用されているNFCの技術を用いた非接触型決済システムと比較すると、QRコード決済は、システム導入の負担が少なく、決済手数料が低く抑えられている。
FeliCaやNFCを搭載していない端末でもQRコード決済が使えるなど、導入しやすい決済システムだといえる。
また、中国を中心としたインバウンド消費に対応でき、ユーザーのインターネットサービスのアカウントをベースとした決済になるため、リアル店舗でもオンラインショップでも同一のIDで管理できる。
さらに、QRコード決済はアプリを使用するので、店舗側に履歴データが残る。そこからユーザー情報に関連させたキャンペーン展開や、クーポン等の販促展開ができる利点があり、導入店舗が増加している。
なお、本調査結果の詳細は、JMARが提供するリサーチプラットフォームMDB Digital Searchに収録、提供されている。
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