ソフトバンクは、産業や生活の基盤である社会インフラの老朽化対策として、ドローンによる社会インフラの保全を行う新たなサービスを開発し、2019年春からの提供を発表した。
このサービスは、老朽化が進む社会インフラの保全課題に対し、IoTやAI技術を活用することで、人による危険作業の手間やコストを抑え、安全で効率的な保守運用が期待される。
2019年春よりドローンによる社会インフラの保全サービスを開始
ソフトバンクは、「ドローンによる社会インフラ保全サービス」の開発にあたり、5×5 Technologies(ファイブバイファイブテクノロジーズ)に対し2018年8月に約400万ドル(約4億5千万円)を出資している。これにより、ソフトバンクは同社が持つ技術を日本国内で独占使用する権利と販売権を取得した。
5×5 Technologiesは北米を中心にドローンによる携帯電話基地局点検ソリューションの開発と運営事業を行う企業だ。ドローンによって撮影した画像と高精度位置情報をタグ付けし、実測値との誤差がわずか数ミリメートルの高精度3Dモデルを生成する独自の技術(北米で特許出願中)を保有しており、この技術をベースに、日本市場のニーズに合わせたサービス化に向けて5×5と連携するとしている。
撮影した画像に高精度な位置情報を画面に付与
ドローンで撮影データから高精度3Dモデルを生成し、計測した画像からゆがみや傾きを確認
5×5 Technologies創業者の一人でCEOであるAnne Zinkは、今回の連携について、「ソフトバンクはドローンビジネスにおいて長期的なビジョンを持っており、5×5 Technologiesでイノベーションの開発を加速し、重要な社会インフラの長期的な保全を展開していくための理想的なパートナーだ」と述べている。
ソフトバンクは今後、生成された高精度の3Dモデルとセンシングデータの解析AI(人工知能)を組み合わせることで、さびや亀裂、ボルトの緩みといった欠落や内部欠陥を自動で検知し、点検業務をさらに効率化するサービスを開発。
さらに、高精度な3Dモデルを活用したシミュレーション結果から、災害発生時の被害を予測し予防保全を実現させるなど、社会インフラの長期的、戦略的なメンテナンス計画の策定を支援するサービスの提供を目指すとしている。
img:SoftBank