畜産分野へのドローン映像技術の応用は有効であるとしながら、動物向けAI学習データが存在しないため、頭数カウントや固体識別、さらには夜間の映像管理ができないという課題があった。
そこで、農業・建設・教育分野で映像解析サービスを手がけるトライポッドワークスは、映像認識AIを活用した映像解析サービスを強化し、夜間のドローン映像にも対応することを発表した。
これによって、通常の高所からの映像解析に留まらず、肉眼で認識できない夜間の固体識別や動体解析、色の認識、動画撮影が可能となり、昼夜関係なく設備点検やセキュリティ、災害対策の実現に向けたサービスを提供できるようになる。
畜産分野では、目視で確認する頭数管理が最も手間がかかるといわれている。管理している頭数と実際のカウントが一頭でも違うと、すべての牛の認識番号を確認する必要があるため、業務負担が大きく、細かな放牧管理ができない状況だった。加えて目視の確認ができない夜間管理も大きな課題とされてきた。
今回の発表は、ドローンや超高感度カメラを使いこれまで提供してきたサービスを拡張することで、広大な敷地や夜間作業などの幅広いニーズに応えようとしたものだ。
トライポッドワークスはこれまで建設/農業/保育などの分野で映像解析サービスを提供する「映像情報を基軸としたIoTサービス事業」を展開してきた。
建設分野では、タイムラプス映像による施工管理サービス「ViewCamStation」を多くの工事現場で稼動させ、農業分野では、定点カメラにおける固体識別や動体解析のサービスを提供している。
映像認識AIにはNTTコムウェア社が提供する「Deeptector®」を採用。ドローン分野はイームズロボティックス社と連携する。
夜間の撮影には超高感度カメラ 「CANON ME20F-SH」を使用。目視が出来ない星明りの暗闇でも可視光映像の撮影が可能となり、昼間と変わらない映像解析が可能となる。
空からの映像解析業務は多岐にわたる。セキュリティ上の人物検知、災害時の避難所での人数カウントや夜間の高速道路の危険物点検などが考えられ、畜産分野に限らず、今後幅広い分野での応用が期待できるとしている。
img:Value Press