矢野経済研究所は、国内の外国語学習に関わるビジネスを調査し、11月2日にその結果を発表した。
この調査は、国内の外国語学習ビジネスの参入企業動向、分野別の市場動向、将来展望を明らかにするためのものである。
なお本調査では、外国語学校、出版社、電子辞書メーカー、ソフトウェアメーカー、e-learning事業者、通信教育事業者、語学学習教材販売事業者、資格試験運営団体、留学斡旋業者、通訳・翻訳ビジネス事業者などを対象としている。
その結果、2018年度の語学ビジネス総市場規模は、事業者売上高ベースで前年度比2.4%増の8,873億円と予測している。
2017年度の語学ビジネス市場は前年度比2.0%増と堅調な推移に
まず、この調査における語学ビジネス市場とは①成人向け外国語教室市場、②幼児・子供向け外国語教室市場、③プリスクール市場、④幼稚園・保育園向け英語講師派遣市場、⑤書籍教材市場、⑥語学独習用機器・ソフト、⑦電子辞書市場、⑧幼児向け英会話教材市場、⑨通信教育市場、⑩e-learning市場、⑪ソフトウェア市場、⑫語学試験市場、⑬留学斡旋市場、⑭翻訳・通訳ビジネス市場の主な14分野を対象としている。
調査結果は、市況概要から解説している。それによると、2017年度の語学ビジネス総市場規模(主要14分野合計)は、事業者売上高ベースで前年度比2.0%増の8,666億円であったという。
これは、大学入試制度改革や、小学校での外国語必修化を背景に、ここ数年幼児・子供向けサービス(幼児・子供向け外国語教室、プリスクール、幼稚園・保育園向け英語講師派遣、幼児向け英会話教材市場)が堅調な推移を示しているからだと分析している。
また、オンライン英会話の認知度が向上し、法人や個人利用が拡大したことでe-learning市場が好調であるほか、AIの活用で注目を浴びている翻訳・通訳ビジネス市場も、現状は従来どおりのヒトによる翻訳・通訳が行われているため、引き続き好調に推移しているという。
次に注目トピックとして、グローバル化の進展、インバウンド(訪日外国人客)の急増、大学入試制度改革、外国語教育の早期化・難化などを背景に、英会話スクール市場は、参入事業者間における競争が激化していることを挙げている。
英語教育全般に関心の高まるなか、異業種からの新規参入も多くみられるという。こうしたなか、2017年度~2018年度にかけては、全国展開の大手英会話スクールにおいて、生き残りをかけたグループ内外の再編が顕在化したと同社ではみている。
2018年度の語学ビジネス市場は前年度比2.4%増の8,873億円に
そして、2018年度の語学ビジネス総市場規模(主要14分野合計)は、事業者売上高ベースで前年度比2.4%増の8,873億円と予測している。
前述したとおり、小学校の外国語必修化や大学入試制度改革に伴い、今後、英語を学ぶ子供の数は増加するとみられるという。
このため、幼児・子供向けサービス(幼児・子供向け外国語教室、プリスクール、幼稚園・保育園向け英語講師派遣、幼児向け英会話教材市場)を中心に語学ビジネスの市場全体は堅調に推移すると矢野経済研究所ではみている。
*この記事の内容はすべて、矢野経済研究所発表の「2017年度の語学ビジネス市場は8,666億円と前年度比2.0%増のプラス成長」から引用している。
Img:矢野経済研究所