テクノロジーの進化や通信の進化によって、より高速で伝送容量の多いシステムが求められている。現在、もっとも期待されているのが「第5世代移動通信システム」、つまり「5G」だ。

5Gの方式はまだ正式には固まっていないが、移動通信のトラフィック量は2010年と比較して1,000倍以上に増大すると予測されている。

このような期待のもと、日本航空(JAL)、KDDIおよびKDDI総合研究所は2018年11月5日、共同で5Gを用いた航空サービスに関する実証実験を開始すると発表した。

5G専用端末によるタッチレス搭乗ゲートなどを検証

実証実験内容は以下のとおり。

  1. 5G専用端末によるタッチレス搭乗ゲート

  2. スマートフォンの専用アプリなどで事前チェックインを実施すると、搭乗ゲートに設置した5G機器が自動的かつ素早くチェックイン情報の検知・認証を行い、カバンなどからスマートフォンを取り出すことなく、スムーズに搭乗ゲートを通過することができる。

  3. ユーザーのニーズに合わせた情報配信
  4. ラウンジなどの特定エリアを対象に、そこに滞在しているユーザーのみが視聴可能なコンテンツを配信する。5Gならではの、VRを含めた高精細な映像や案内などの特別な内容を閲覧することができ、それぞれのニーズに合わせた最適なコンテンツの提供が可能となる。

  5. 位置測定
  6. スマホなどの携帯端末から空港内における滞在位置を5Gを活用して把握し、その位置からゲートまでの道順や搭乗予定時刻の案内を送ることで、適時適切なコンテンツの提供、スムーズな搭乗の実現を目指す。

状況に応じた精度の高い検証が可能に

この実験は、開設した「JAL Innovation Lab」内に、5G通信環境を備えた搭乗ゲートなどの空港施設を模した施設をKDDIおよびKDDI総合研究所と再現し、実際の利用状況を想定した新サービスの実証実験を行う。

3社では自社施設内で行う5Gの実験は、航空会社としては、日本で初めてであるという。状況に応じたレイアウト変更などが可能となるため、精度の高い検証が可能となるとしている。

Img:PR TIMES