アイズファクトリーは10月31日、独立系ヘッジファンドである、エピック・パートナーズ・インベストメンツと、AIによる次世代株式売買の実証実験を共同で行うことで合意したと発表した。これにより、日本株を対象とした株式売買の実証実験を開始する。
アンサンブル学習の手法を用いた株価騰落予想システムの構築は国内初の取組みだという。
株価騰落予測モデルが算出する騰落予測でトレーダーが売買
これまでもアイズファクトリーとエピックの両社は、株式売買における騰落データの解析を行い、AIによる予測モデルの構築をしてきた。その結果、解析上は一定の成果が出せるモデルが構築できたという。
今回は、この解析結果をうけて、日本株を対象とした株式売買の実証実験を開始する。今後数カ月をかけて、アイズファクトリーが構築した実証用の株価騰落予測モデルが算出する騰落予測をもとにエピックのトレーダーが売買を行う。
これにより予測モデルの精度をさらに高めるとともに、実運用における面での検証も行うという。
AIプラットフォーム「bodais」でアンサンブル学習
今回、アイズファクトリーが開発したのはAIプラットフォーム「bodais」で実現するアンサンブル学習である。実証実験は、「bodais」で実施する。
bodaisは、アイズファクトリーが開発した自動進化型データ解析クラウドサービスだ。
bodaisの特徴は、一般に大量のデータを解析するには、データクレンジングなどの多くの前処理が必要となるがアイズファクトリー独自のノウハウを搭載することで前処理にかかる時間を大幅に短縮できるとのこと。
このため、データ解析に不慣れな人でも比較的簡単に希望の解析を行えるという。
今回のエピックとの取り組みでは、アンサンブル学習と一般に呼ばれる解析手法をベースに予測モデルを構築している。具体的には、膨大な数の仮想トレーダーをbodais上に構築し、これら複数のモデルを融合して株価騰落に関する1つの予測モデルを構築。
アンサンブル学習を採用する趣旨は、未学習のデータに対する予測精度の向上を図るためであるという。
実証実験を行うために構築した予測モデルでは、株価騰落に関連すると思われる膨大な変数(海外指標、為替データ、財務指標、日本株の過去の騰落データなど)のうち、約1,000個の変数を用いている。
これら大量のデータを扱う際に、bodais上に実装されている変数選択の機能と、独自の大規模分散処理技術とにより、アンサンブル学習による株価騰落のモデルを実証可能なレベルで実装しているとしている。
img:PRワイヤー