1つのAIで複数タスクをこなす「次世代AI」の開発・実用化をめざす

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人間の脳は、1つでさまざまなことを処理している。しかし、現在のAIでは課題ごとに異なるネットワークを組み上げ、それぞれ一から学習させる必要がある。

1つのAIが学習した内容を活用し、ほかの処理をすることができない。これがAI導入・利用に際して、大きな障壁となっている。

このような背景から、Cogent Labs(コージェントラボ)と、University College London(以下・UCL)は、パートナーシップ契約を締結し、次世代AIの開発を目指す長期共同研究をスタートする。

次世代AIは、人間の脳と同じモジュラー型

UCLとコージェントラボの共同研究が目指すのは、モジュラーAIの構築だ。人間の脳のように、複雑な問題に対してさまざまなモジュールを組み合わせて対応する。

人間の脳は、脳のなかでさまざまなモジュールを組み合わせることで、複雑な問題を簡単な作業へ分解し、処理している。

現在のニューラルネットワークには、そのような能力がない。異なるタスクに対しては、異なるAIと学習が必要となる。

1つのニューラル・アーキテクチャの目的を簡単に変更し、異なる問題の解決に利用できるようにするのが、次世代AIだ。

例えば自動走行車では、歩行者の検知後のアクションは、車が歩行者を回避することだ。セキュリティ・カメラも通行人を検知するが、検知後に取るアクションは自動走行車とは異なる。

このようにAIでは、認知を行い、その後に異なるアクションが求められるタスクは多くある。

次世代AIでは、これらを一つのAIで処理することが可能になるという。

コージェントラボとUCLのユニークなパートナーシップ

今回のコージェントラボとUCLの共同研究では、学術機関と企業が双方の研究者を交え、長期的な共同研究を行う。継続的に成果を出し続け、実運用につながるAIの開発を目指すという点でユニークだ。

従来の学術機関と企業の共同研究の多くのケースでは、プロジェクトベースで企業が資金を提供し、特定の結果を求める形が主流だった。

AI業界は変化が早く、単発の研究はすぐに新しい研究に塗り替えられてしまう、という点が問題となっていた。

最先端AIの専門性と、国際的な学術機関とのつながりをもつUCL。研究だけではなく機械学習エンジニアリングの分野で、すでに解決力を持つサービスを提供しているコージェントラボとのパートナーシップ締結により、研究の実社会への還元が可能となる。

コージェントラボは、現在までの事業展開から得た知見やデータ群を、研究者に積極的に提供し共同研究を行うことで、さらに実社会に役立つサービスを生み出すことができる。

コージェントラボとUCLの共同研究は、「UCL Centre for Artificial Intelligence」を拠点として実施される。

正式な設立は、2019年初旬。デイヴィッド・バーバー教授をリーダーとして、コンピューターサイエンスにおけるAI研究がUCL内で一堂に会する初めての場となる。

このAIセンターはAIの抱える根本的課題の解決に関心をもつ、150名以上のAI研究者から構成される。新たな技術の創出以外にも、科学、産業、および社会への応用と影響に関するアドバイスの提供もおこなう。

UCLのAIセンター内の幅広い専門家らとの知識交流も促進し、従来のAIの境界線を横断的につなぐさまざまなプロジェクトに参加できる、刺激的かつ斬新な場所となる。

学術機関と企業の長期的なパートナーシップは、次世代AIを実用化できるか

共同研究のリーダーとなるUCL David Barber(デイヴィッド・バーバー)教授は次のように述べている。

「コージェントラボとの共同研究は非常に刺激的です。AIは大きな進歩を遂げてきましたが、現在は未だ限られた理解しか得ていません。

AIマシンが私たちにとって有益なものとなるようにその能力を向上させるにはどうすればよいか、マシンが私たちの有する知識にアクセスできるようにするにはどうすればよいか、限られたインタラクションに基づいてマシンを訓練させるにはどうすればよいかなど、より大きな問題に取り組む必要があります。

コージェントラボとの共同研究は、私たちがそのような長期的な難題に取り組むための助けとなるでしょう。そして私たちも、コージェントラボがUCLの先進的なAI研究に注目してくださったことを光栄に思っております。

AIがより多くの役割を果たすようになりつつあるなか、AIをオープンな環境で開発していくことは、科学と社会に貢献し、すべての人々の明るい未来を実現するために重要なことです。コージェントラボは、そうしたビジョンを共有することのできる理想的なパートナーです。」

img:PR TIMESUCL

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