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昨今、多くの業界・企業が人材不足に悩んでおり、それはアルバイトについても例外ではない。
募集をかけても集まらない、採用してもすぐに離職するなど、定着率の問題は大きな問題になっている。
総合求人情報サイトを運営するディップの「サイコロLab.」は、アルバイトの離職問題に関する自社調査結果をまとめた「アルバイト離職白書」第2弾を公開した。
今回のテーマは「声がけ」だ。
「ありがとう」はアルバイターのモチベーションをあげる
「充実感を持ってはたらく人を増やす」ことを目的に研究を行うサイコロLab.では、アルバイトの離職理由や、定着率向上のための打ち手や対策を模索するため、アルバイトの離職に注目した調査を複数実施し、その結果を「アルバイト離職白書」として公開している。
2018年9月には第1弾として、アルバイト経験者の5人に1人が「ばっくれ」たことがあるという実態や、退屈さを感じさせない業務設計が定着につながるなどの調査結果を公表した。
今回は「アルバイト先の上司にいわれた印象に残っている言葉」を調査し、どのような「声かけ」がスタッフの定着やモチベーション維持・向上に繋がるかが検討された。
アルバイターが上司にいわれて印象に残っている“嬉しかった言葉”と“悲しかった言葉”を単語の出現頻度の多い順にグループ分けをした。
その結果、“嬉しかった言葉”には、“ありがとう”や“助かる”などの感謝を伝える言葉や、“上手い”や“任せる”などの個人のスキルや信頼を寄せた言葉などが多いことがわかった。
一方で“悲しかった言葉”には、“不器用”や“使えない”、“頑固”などの個人の素質を否定するような言葉が見受けられた。
次に、“ありがとう”に関連する言葉を回答した104人を対象に、上司に「ありがとう」と言われて頑張ろうと思うかどうか尋ねたところ、「頑張ろうと思う」79%が最多となり、さらに、「ありがとう」単体よりも理由も含めた「理由+ありがとう」の最大6点満点の得点が約1ポイント高くなった。
単に「ありがとう」と言うだけではなく、「君がいると助かる。ありがとう」のように感謝の理由も添えて伝えると、アルバイターのモチベーションがより高まると言えそうだ。
信頼関係は、日常のコミュニケーションから
アルバイターのモチベーション維持に感謝の言葉が有効なことは明らかだが、そもそもコミュニケーションをとれる関係性にあるのかということも重要だ。
「現在のアルバイト先を辞めた理由」に出現する単語を頻度を調べたところ、「就職」や「学業」といった学生アルバイターの事情を反映したものも多かったが、「人間関係」という単語も頻出したという。
コミュニケーションと人間関係の相関関係を表すものとして、「アルバイト先の上司と仕事以外の会話もできる関係だったか」という質問に対して「会話できる関係だった」と答えた人の方が「上司を信頼していた」(73%)と高い回答結果となっている。
アルバイターは社員以上にいろいろなタイプの人間が共存する場という側面もあるため、必ずしも会話だけが信頼関係をつくる手段ではないが、仕事以外の場面でも日常的にアルバイターと会話をすることが、日々の信頼関係の第一歩という見解を示している。
アルバイトだからこそ、大切にしたいコミュニケーション
サイコロLab.によれば、個人が大切にしている領域を理解しつつ、アルバイターと雇用側との信頼関係を構築していくためには、感謝を言葉にするというあたり前だが、忘れがちなコミュニケーションから見直すのが効果的なようだ。