INDEX
現代で欠かせない情報インフラの1つとなったSNS。最新情報をSNSでチェックする人は多く、個人間の日常的な連絡用途でSNSが使われる機会も多い。またテレビなどのメディアで、SNSの情報を紹介するようなことも頻繁に行われている。
とはいえ、一口にSNSといってもさまざまなサービスがあり、時代の流れにのるものもあれば取り残されるものもある。たとえば最近では「インスタ映え」という言葉もあるようにInstagramが流行にのってユーザー数を増やしている。
この記事では、ブランドコンサルティング・ファーム「リスキーブランド」の生活意識調査「MINDVOICE(R)」の2011-2018年のデータ(※)をもとにした、主要なSNSサービスの利用状況やその分析について紹介する。
調査では、15-64歳の日本人男女個人(N=4,935)を対象とし、主要SNSのアクティブユーザー(日常的に活用している人)の分析を行っている。
LINE、Twitter、Instagramはアクティブユーザー数を増やすものの、Facebookは減少へ
まず、主要SNSのアクティブユーザー率の推移に関しては、調査対象の5割以上をアクティブユーザーとするLINEをはじめ、Twiter・instagramのユーザー数は増えているとの見解を示している。
たいしてFacebookは、ピークだった2015年の19.5%から失速気味に。なだらかな下降をたどり2018年には16.9%にまで減少している。17.4%のアクティブユーザー数を誇るInstagramにわずかだが逆転されてしまっている状況だ。
Facebookは若い年齢層のユーザー数の減少が目立つ
失速気味のFacebookに関し、同社は若い世代の支持を失っている点を指摘。
上記図より、15-24歳の利用率が目立って落ち込んでいるのがわかる。
2013年にはこの年代の28.0%が利用しているとの結果がでているのに対し、2018年には10.7%に下がっている。一方で、45歳以上の中高年層ではユーザー数が拡大している。
次にInstagramの年代ごとのアクティブユーザー数の統計をみてみると、15歳~24歳の年齢層のアクティブユーザー数が急激に増えているのがわかる。2015年にはこの年代の利用率が8.0%だったところ、3年後の2018年には32.0%まで上昇。
同社は、Instagramについて15歳~24歳の年齢層の支持を急速に集めており、これに呼応するようにほかの年齢層の支持も拡大しつつある、と分析している。
年齢層・価値観・用途で棲み分けが行われている
今回の分析で「ユーザーの年齢層・価値観・用途によってSNSの棲み分けが出来つつある」と同社は指摘している。
たとえば図にみられるように、LINEは幅広い年齢層に利用されているとの結果がでているのに対し、TwitterとInstagramは15~24歳の若年層にアクティブユーザー数が多く、Facebookは45歳以上の中高年層の率が高い。
次に紹介するのは、生活者の価値観をもとにした分析。
この分析について、主要SNSユーザーがいずれも変化/多様性を求める価値観をもっていることは共通しているものの、InstagramとFacebookのユーザーは外向的な価値観、TwitterとLINEのユーザーは比較的内向的な価値観を持つという違いがみられると解説している。
用途ごとに主要SNSが棲み分けされている点も指摘されている。
まずSNSの特徴といえる「情報発信用途」では、Twitter・Instagram・Facebookのユーザーそれぞれ2~3割程度が活用しているのに対し、LINEはこの用途ではそれほど活用されていない。
一方、親しい人と連絡をとるための用途においては、図にあるように「LINEがほかのSNSを大きく引き離していると」と同社は述べている。
これらの点から、LINEは連絡用途、Twitter・Instagram・Facebookは情報発信用途としてポジションを分け合っていると分析。特に情報用途においては、アクティブユーザー数が85%と最も多いLINEがほぼ独占しているといっても過言ではない、と話している。
図は趣味情報を取得する用途での各SNSの利用率だ。この用途でのポジションではTwitterとInstagramがポジションを分け合っていると分析しており、両方とも49%ずつと同率の結果となっていることがわかる。
上記はニュースチェック用途での利用率の統計になる。この用途ではTwitterがポジションを獲得していると分析しており、Twitterの利用率が31%と、ほかと比較して格段に高いことがみてとれる。
(※)データの出典元:RISKYBRAND MINDVOICE(R) 2018
時代により移り行くSNSの文化
SNSの利用自体は一般に定着しているものの、どのSNSをどの年齢層がどのような用途で使うかは、まだまだ移り変わりが激しいようだ。
新しいサービスが生まれ、そちらにユーザーを奪われる可能性もある。時代によって激しく移り行くSNSの文化については、今後も注目したい。