富士通らが実現するパーソナライズドバンキングサービス。個人ごとにアドバイスを配信する実証実験開始

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インターネットやテクノロジーの進化は金融機関にも大きな変化をもたらしている。これまで、金融機関と利用者の接点は窓口などの対面チャネルが主流であった。しかし、近年はスマートフォンやPCを介した非対面チャネルへと変化しつつある。

このため、金融機関では営業店への来店を前提とするサービスから、デジタルチャネルを活用した金融サービスの利用ニーズ喚起につながるアプローチへの転換を迫られている。

デジタルチャネルでは、自分自身が必要な情報や実施すべき金融行動に対しタイムリーなアドバイスが、わかりやすいガイダンスとともに提供されるため、金融機関へのサービス満足度向上につながると期待されているからだ。

Blue Lab、Personetics Technologies Ltd.と富士通は、マネーツリーの協力のもと、バンキングサービス利用者にAIを活用して適時的確なフィナンシャルアドバイスを行うパーソナライズドバンキングサービスを提供する、Personeticsのソリューション「Personetics Engage」の共同実証実験を開始した。

AIを活用したパーソナライズドバンキングサービス提供

今回の実証実験では、Blue Labと富士通の社員を中心とした協力者約300人が、利用者目線で「Personetics Engage」を体験し、3社でレコメンデーションの精度と、顧客満足度向上の効果を測定・検証する。

具体的には、「Personetics Engage」を活用し、国内金融機関が保有するデータおよびマネーツリーのサービスを活用することで得られた個人資産管理データをもとに、被験者の口座情報、入出金予定、入出金実績、クレジットカード明細に基づく、キャッシュフローをモニタリングし、被験者一人ひとりに適切なレコメンドを配信する。

日本の金融機関とデータを活用し、欧米の大手金融機関で多く導入されている「Personetics Engage」が生成するアラートやアドバイスなどのインサイトの内容について、日本市場における導入効果の測定が目的だ。

3社の役割分担としては、

となっており、実証実験評価については3社で行うとしている。

20行以上の欧米大手銀行で導入実績を持つ「Personetics Engage」は、現在、スマートフォンやPCを利用した銀行のデジタルチャネルを中心に5,000万人以上が利用しているという。

金融業界に特化したノウハウを活かした複合的なAI技術により、ユーザプロファイリング、金融行動パターン認識、レコメンデーション最適化、キャッシュフロー予測などを行う。

これにより、個人金融資産変動・予兆の検知や、個人金融資産状況に関するパーソナライズされたアドバイスを利用者ごとに適時的確な内容で配信し、日常生活に密着したファイナンシャルアドバイスを提供する。

この実証実験の結果を踏まえて3社は、日本国内において、デジタルチャネルを通じ、タイムリーなファイナンシャルアドバイスやキャッシュフローに関するアラーム通知を可能とする、AI技術を活用したレコメンデーションサービスを提供する。

そして、利用者が日常的に使いたくなるような金融機関向けの新たなパーソナライズドバンキングサービスの事業化を目指すとしている。

AIですっかり面変わりする金融

個人資産管理というのは、非常にパーソナライズドされることが要求される分野だ。今回の実証実験は、それをAIでユーザーが満足できるレベルで実現しようというものだ。

AIによって金融もすっかり面変わりする。これにより、これまで個人資産管理など金融機関にゆだねることを、躊躇していた人にもサービス活用のハードルは低くなるだろう。

img:FUJITSU

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