近年、教育メソッドとして、アクティブラーニング型の授業が脚光を浴びつつある。

これは、これまで一方通行の講義型授業が長年主流だった問題を受けてのもので、特に2020年の「高大接続」などの教育改革において、大学・大学院という高等教育の分野で期待されている。

一方、大学では、産学連携の流れや社会実装に結びつく実践・研究や、さまざまな分野領域を横断したテーマの教育が求められるようになっている。

また社会人の「学び直し(リカレント)教育」への拡大もニーズが高まっており、学び方の変革が急務となっている。

今回まつりばは、自社が展開するアクティブラーニングを深化・推進するツール「Joinny」を大学・大学院が採択されたことを発表した。

これにより、生徒本人の学びの振り返りや、生徒同士のピア・フィードバックをオンラインで記録・共有。教員からの単位修了証発行まで一気通貫で可能となるという。

授業ごとに自身の「振り返り」を記録、参加者間で共有するツール

Joinnyは、アクティブラーニング型の学びの深化を目的として開発された「ラーニングポートフォリオ」だ。Joinnyのポートフォリオを通じて、自分だけでは得られなかった気づきや自己の強みを他者から後押しされることで自己効力感を育み、自律型の人材育成を目指す。

国際バカロレアなどで採択されている“課外活動を第3者が認証・評価し、その第3者評価も含めて学校が単位を発行する”仕組みを参考にしているという。

主な活用方法は以下のとおり。

  1. 授業ごとに自身の「振り返り」を記録、参加者間で共有。
  2. 授業ごとにチームメイト同士の言動に相互フィードバックを行う。
  3. 上記2つの内容を踏まえて、先生(学校)から修了書を発行する。

なお、授業が終わった後も参加者のその後の活動にどう活用されたかを教員・ファシリテータがオンラインで確認し、コメントをつけるなど評価・フィードバックすることができる。

Joinnyを開発したまつりば代表取締役の森氏真悠子は、以下のように述べている。

「教科学習のように点数評価できない学びにおいて必要になるのは、本人が何を学んだことを認知し肯定する力。それには、チームメイトなど他者の存在と彼らからのフィードバックが不可欠です。

Joinnyはこれを助けるツールとして、生徒同者が証明する中央分散型の学びの履歴ブロックチェーンの構想を目指しています。」

すでに、大阪大学大学院工学研究科とグロービス経営大学院の共同講座で採択されているという。

ブロックチェーン型のラーニングポートフォリオ

「Joinny」は学びの履歴を記録するブロックチェーン型のラーニングポートフォリオといえる。

これにより「効果の実証」と「評価方法」の確立を目指すという同社の成果に期待したい。

img:PR TIMES