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企業は、海外からの人材をどのように受け入れているのだろうか。
国内では、人材不足が深刻化している。総務省は、今後20年で生産年齢人口は1,249万人減少すると予想している。一方で国連の見立てでは、世界の人口は2050年には98億人に達するとされている。
このような人口の未来の差を考えると、外国人労働者の受け入れは自然な流れなのかもしれない。厚生労働省によると、2017年10月時点で日本国内で働いている外国人労働者は約128万人。政府が閣議決定した「骨太の方針2018」では、50万人の増加を目指している。
実際に海外の人材を採用する現場では、さまざまな困難に直面する企業も少なくないだろう。そこで今回紹介するのは、企業と海外の人材をAIマッチングでつなぐオンラインプラットフォームだ。
海外人材の受け入れを容易にする、AIマッチングサービス
2018年10月15日、フォースバレー・コンシェルジュは、「Connect Job」のサービス提供を開始した。
フォースバレー・コンシェルジュは、国境を越えたグローバル採用支援を行う企業。Connect Jobは、企業と世界中の人材をAIマッチングでつなぐオンラインプラットフォームだ。
同社ではすでに、世界のトップ人材を日本企業へ紹介する「TOP CAREER」を展開している。Connect Jobは、地方の企業や中小企業も、手軽に利用できるAIマッチングサービスという位置づけだ。
候補者と企業、それぞれが希望する条件をAIでマッチングさせ、自動的に最適な人材と企業を引き合わせる。
海外からの就労希望者は、履歴書をアップロードすることにより、自動的にプロフィールを作成できる。就労を希望する国、開始希望時期、希望給与レンジなどを登録すると、企業とのマッチングを開始する。
企業は、就労希望者のスキル・言語能力、いつからどこで働きたいかを確認。就労希望者の1分動画をみることもできる。
書類選考から内定承諾までの進捗は、サイト上で一元管理。面談時の時差ミス防止のため、現地時間と日本時間を同時に表示する機能もある。
企業は求める海外人材を発見し、コンタクトすることが容易になる。
当面は、IT人材(AI・IoTなど)や日本語の話せる人材をターゲットに候補者を集める。世界中のパートナー企業と連携し、2020年度中に約100万人の人材登録を目指すという。
ここで日本政府による、外国人労働者の受け入れ推進政策についても確認しておきたい。
日本の外国人労働者受け入れ政策
日本における、外国人材受け入れの変遷をみていく。
日本は2012年5月から、「高度人材ポイント制」を導入している。外国人の学歴、職歴、年収などを点数化し、合計70点以上のポイントを取得した者を「高度外国人材」と認定する制度だ。
高度な専門的知識や、技術をもつ外国人材の受け入れを目的としている。
2015年には、「高度専門職」が新設された。高度外国人材に特化した、在留資格だ。「高度専門職1号」なら5年、「高度専門職2号」であれば無期限の在留期間が付与される。
2012年から2017年までの5年間で、1万人以上の外国人が高度人材ポイント制の認定を受けた。日本では、2022年までに2万人の認定をめざしている。
また、2018年6月に閣議決定された「骨太の方針2018」では、新たな在留資格の設定が検討されている。介護・農業・建設・造船・宿泊など、人手の確保が難しい分野が対象となる。
これは単純労働における、外国人労働者の受け入れを意味する。
資格の付与にあたっては、日本語能力や技能に関する試験を実施するが、技能実習の修了者は試験が免除される。外国人にとっては、在留資格を取得できる手段が拡大することになり、日本で働く外国人の数はより拡大するだろう。
現在、日本国内で働いている外国人労働者は約128万人(2017年10月時点 厚生労働省調べ)。2025年頃までに、建設・農業など5分野で50万人の増加を目指している。
テクノロジーが加速させる、グローバルな労働力の移動
政府は海外人材の受け入れへ向け、制度の拡充をすすめている。2012年からの「高度人材ポイント制」では高度人材、「骨太の方針2018」では単純労働も対象となるようだ。
人材不足に悩む日本の企業、特に地方の中小企業でも、海外からの人材受けれが進むかもしれない。オンライン上でAIマッチングにより、欲しい人材を容易に探せるConnect Jobのようなサービスは、この動きを加速させるだろう。
世界的な人口増加と、先進国における生産年齢人口の減少。そこから生じるグローバルな労働力の移動は、テクノロジーがよりスムーズなものに転換しそうだ。