「ポイント還元率」がキャッシュレス後進国脱却のカギ?ユーザーの転換ポイントはどこか

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AMPではこれまでも取り上げてきたが、日本はキャッシュレス後進国と呼ばれるほど、キャッシュレス化が遅れているといわれている。

2018年4月に経済産業省が発表した「キャッシュレス・ビジョン 各国のキャッシュレス決済比率の状況(2015年)」によると、韓国は89.1%もの比率に達しているものの、我が国は18.4%にとどまっている。

この調査では、日本のキャッシュレス化の遅れについて、我が国は「現金流通高(預金などではなく、実際に世の中に出回っている現金の量)」が他国と比較して著しく高いとしている。

日本銀行によると、2017年末の紙幣の流通量は106兆円超と、前年同期比で4%増加している、と分析している。

では、キャッシュレス化推進の決め手となるのは何であろうか。

リエールファクトリーは同社が運営するパーソナライズ化した最適な決済を提案する「AI-Credit」を通じて、インターネット利用者を対象に消費傾向と節約方法についての調査を実施した。

ここでは、キャッシュレス社会を促進するコード決済はどのようなキッカケで利用されていくのか調査した。

日本人に根強い「節約志向」と「現金主義」

まず、「LINE Payや楽天Payといった「QRコード決済」が普及してきています。どうしたら使ってもいいと思いますか?」の質問では、

という結果となった。

もっとも高い数値を集めたのは

だった。

次いで

となった。

ユーザーのポイント還元率へのこだわりは強いようだ。このため、クレジットカードやサービスカードは、それぞれのポイント還元率の高さや独自のポイントサービスを打ち出して、展開している。

次に、「節約するため、今よりお得になるために「取り入れてもいい」と思う方法を選択してください。」(複数選択可、合計200人)と聞いた。その結果、

と、未だに根強い「削る節約」の結果となった。同社では、支払い方法をキャッシュレスにするだけで節約は可能にも関わらず、現金払い主義が多いことがうかがえると分析している。

そして、「あなたの消費傾向を教えてください。もっともあてはまるものを選択してください」という質問に対しては、

という結果となった。

「価格」「質」だけにこだわる人はそれぞれ10%程度だった。普段から比較検討をする人が33%、普段は節約する人は46%にいたる。

ここでも、日本人の強い「節約志向」がみてとれる。そして、キャッシュレスでも節約は可能にも関わらず、未だに現金払い主義が多いことがわかる。

ポイント還元がキャッシュ化推進のキッカケに?

今回の調査結果について、同社では、多くの人が「ポイント還元率が現金払いより10%お得になれば決済方法を切り替える」ことがわかった。

一方で、「よく行くお店で利用が可能になれば」という回答も多く、QRコード決済が可能な店がまだ少ないことがうかがえる。

キャッシュレスを促進するには、店舗がコード決済を導入し、決済事業者が利用促進のためにポイント還元をしていくことが必要だ、と総評している。

そして、欲しいものを「お得に買う」ための決済方法としてQRコード決済が普及した時、利用者が一気に拡大すると予想している。

さらに、決済ツールが多岐にわたることもキャッシュレスが進まない要因の1つといえるだろう。ユーザーは、自身が利用できる決済ツールが使えない体験をすればするほど、やはり汎用性の高い現金に戻っていくという悪循環も考えられるため、店舗の決済ツール導入だけではなく、現状のツール数の問題もどうするべきかを考えなくてはならないだろう。

果たして、今後日本でキャッシュレス化はどう進展していくのか、目が逸らせない。

img:PR TIMES

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