ここ数十年で日本の家庭の在り方は大きく変化した。核家族化や夫婦の共働きが進み、かつてのような「お隣さんは家族同然」といったような地域社会とのつながりも薄れてきた。

このため、家庭内でもワンオペ育児の問題が近年顕在化するなど、現役子育て世代は心身ともに負担のかかる環境におかれるケースが増えている。

一方で、テクノロジーの発展により、育児の記録や共有などの効率化、家族のコミュニケーションや社会とのつながりを促進するもの、不安やストレスを緩和するものなど、子育て世代のさまざまな場面を助けるサービスが世の中に存在している。

今回、株式会社カラダノート、株式会社ファーストアセント、株式会社AsMama、株式会社オトバンク、fotowa(ピクスタ株式会社)の5社は、ITやテクノロジーを活用し心身共にゆとりある子育て環境の実現を目指すサービスを『子育Tech(こそだテック)』として提唱・推進していく共同組織『子育Tech委員会』を発足した。

今後は、参画企業を集い、理念を広げていくとともに、定期的に子育て×IT・テクノロジーに関する調査発表やイベントを開催し、テクノロジー×子育て分野の発展・認知向上を目指す方針だ。

子育てとITでゆとりある子育て環境実現の理念のもと5社が集結

「子育Tech」は2018年3月より株式会社カラダノートが提唱してきたITやテクノロジーを活用し、心身ともにゆとりある子育て環境の実現を目指すサービスである。

子育Techは、子育てにおいてITやテクノロジーを使い、以下のサービスを展開する。

  1. 育児の記録や共有の効率化するもの
  2. 育児の情報収集の効率化するもの
  3. 育児にまつわる夫婦間のコミュニケーションの糸口になるもの

米国では、「BabyTech」と呼ばれる妊娠から乳幼児の育児に関する技術分野が発達しており、「Baby Tech Awards」が催されるほど市場・認知共に成熟しているという。

一方、日本国内でも、子育てとIT・テクノロジーを身近な存在にしていくことを目指すべく『子育Tech』という概念が誕生した。

今回、「子育てとIT・テクノロジーを活用し、心身ともにゆとりある子育て環境を実現する」という理念に賛同した、子育てに関わるITサービスを運営する5社が集い、共同提唱していくことで、子育ての様々なシーンでトータル的にサポートできると考え、「子育Tech委員会」の発足にいたった。

各社が協力することで、現代にマッチした子育ての価値観と環境づくりを目指して活動していくという。

子育て世代がゆとりをもって愛情を注げる社会の実現を

「子育Tech委員会」では、テクノロジーを子育てにうまく取り入れる「子育Tech」を安心して実践できる社会づくりを目指す。

これにより、家族、地域、社会とコミュニケーションを深め、子育て世代が心身ともにゆとりを持ち、新たに生まれる時間とつながりによって、子どもに愛情を注げる社会の実現を目指す。

参画企業の概要は上の表のとおりである。(2018年10月2日時点)

今後は『子育Tech』を推進し、子育ての周りの目などの精神的障壁なくテクノロジーを利用できる環境づくりを目指す。

まず、フェーズ①は以下のとおりである。

「子育て現役世代への認知と意識改革」では「手間暇かけてこそ愛情」という価値観と「テクノロジーを育児に取り入れることによる利便性の高さ」の間で揺れる現代の子育て世代に、子育Techの概念を浸透させ、引け目を感じることなく「子育Tech」を取り入れた心身ともにゆとりある育児の実現を目指す。

  • 子育Tech委員会共同によるイベント

    半期に1度のペースで実施
  • 参画企業個別開催によるイベント

    2〜3ヶ月に1度ペースで実施
  • 子育て×テクノロジーに関する調査レポート

    2ヶ月に1度ペースで実施
  • 子育Tech委員会参画企業の募集(随時)

※参画企業10社以上集まった段階で一般社団法人化を目指す。

次にフェーズ②は以下になる。

「子育て世代の理解共感」では、子育てに関する知識や価値観に世代間でギャップがあることから、現役子育て世代だけでなく、その親世代への理解を目指す。

また地方自治体や、NPO法人などにも協力を仰ぎながら、孫育て世代を対象としたイベントなどを実施。地域全体の価値観の変換を目指し、子育てしやすい環境づくりに努めていく方針だ。

『子育Tech』は子育てに革命を起こせるか

子育ては大変だ。お金、体力、精神力など人間のすべてに負担がかかるといっていい。しかし、ITの進化は『子育Tech』という新しい概念を生み出した。果たして、『子育Tech』は、子育てにどのような革命を起こせるのか。

具体的にはどのようなテクノロジーが活用されるのかは、まだ明らかにしていないが、参画企業の今後の動向に注目していきたい。

img:PR TIMES