個人や企業が、インターネットを通じて、不特定多数から資金調達するクラウドファンディング。未来の可能性を広げるチャレンジが、1,000人を超える支援者を集めたり、1億円を超える支援金を集めたりすることもある。

グローバルで盛り上がりをみせるクラウドファンディングだが、日本国内においても、クラウドファンディングサービスの数が増えてきた。

購入型、寄付型、融資型(ソーシャルレンディング)、ファンド型、株式型が存在するが、ここでは、購入型クラウドファンディングサービス50超を集めたカオスマップを紹介したい。

購入型クラウドファンディングサービス「カオスマップ2018」

2018年9月26日、コーレ合同会社は、「購入型クラウドファンディングサービスカオスマップ2018」を公開した。

コーレ合同会社は、100万~500万円を目標金額とするクラウドファンディングのコンサルティングをメインに行っている企業だ。

公開されたカオスマップには、50超の購入型クラウドファンディングサービスが掲載されている。購入型クラウドファンディングとは、資金調達を行おうとするプロジェクトから、権利や物品などを購入することにより、支援を行うものだ。

50超のサービスを整理するにあたり、下記のようなカテゴリーが設けられている。

  • 総合型
  • 音楽型
  • アイドル型
  • 研究型
  • 学生型
  • 農業型
  • 飲食型
  • 政治型
  • スポーツ型
  • 映画型
  • エンタメ型
  • 地域活性型

など、幅広く扱っている。

クラウドファンディングは、モノづくり系・店舗などの場所系・イベントなどの体験プロジェクトを展開する資金不足の個人や企業が利用するイメージがある。

しかし、大企業の新商品開発部門が、テストマーケティングやプロモーションの用途で利用ケースもあるようだ。

これからクラウドファンディングに挑戦しようと考えている、個人・中小企業・大企業の新商品開発部門も多いだろう。展開サービスを整理したカオスマップは、クラウドファンディングサービスの市場理解に役立ちそうだ。

それでは、いくつかの購入型クラウドファンディングサービスの内容をみてみよう。

幅広い領域をカバーする、購入型クラウドファンディングサービス

総合型に分類されている「CAMPFIRE (キャンプファイヤー)」は、音楽やアート、写真・映画といったクリエイティブ系のプロジェクトを多く扱っている。過去には、「キングコング西野の個展『えんとつ町のプペル展』を入場無料で開催したい!」というプロジェクトで、クラウドファンディングを行った。

「FAAVO」は、地域活性型のクラウドファンディングサービスだ。地方に特化した購入型、というのが特徴で、2012年に宮崎県からスタートした。

トップページでは、北海道・東北、関東、北陸・甲信越、東海、関西、中国・四国、九州・沖縄といったカテゴリーでプロジェクトを紹介してる。被災地を支援するものもみられる。

総合型のなかで、海外・越境型に分類される「COUNTDOWN」は、グローバルクラウドファンディングがコンセプトだ。越境ECの「ALEXCIOUS」と提携し、海外への販売もサポートする。

映画型のクラウドファンディングサービス「PLAN GO」は映画会社の有限会社アップリンクが運営している。

「クリエイティブ」なプロジェクトとして映画製作や配給支援、「ソーシャル」な部分では映画館・上映会など場づくり、「プロダクツ」についてのプロジェクトとして映画のキャラクターTシャツやグッズを作るための資金を集める。

音楽型の「muevo(ミュエボ)」では、個性豊かなアーティストや音楽関連のキャンペーンを支援できる。トップページには、アルバム制作やライブ開催などのキャンペーンが並ぶ。購入したキャンペーンの制作過程は、「活動報告」という形で随時受け取ることができる。

政治型クラウドファンディングの「Zipango(ジパンゴ)」は、2014年11月に国内では初の政治特化型としてオープンした。

ネットを通じて政治家を支援でき、若者に政治参加の機会を提供する。政治家サイドも、資金調達と同時に、活動の周知・支援者との信頼関係構築が可能だ。

資金不足で不可能だったプロジェクトを実現へ

今回紹介したカオスマップにみられるように、クラウドファンディングサービスは既に、幅広い領域をカバーする形で数多く登場している。購入型だけみても50を超え、さらに寄付型・融資型などが存在する。

カオスマップを公開したコーレは、クラウドファンディング専門コンサルティング事業を展開している。クラウドファンディングを有効に活用し、資金を集めるためには、こういったサービスの利用も必要なのかもしれない。

インターネットが可能にしたクラウドファンディング。これまで資金不足で不可能だった、個人や企業のプロジェクトを、より多くの人々から支援を集めることによって、実現させていくことになるだろう。

img:PR TIMES , CAMPFIRE