昨今の目覚ましいインターネットの進化により、Webサイトの重要性が非常に高くなっている。最近ではサイト構築のためのアプリケーションのリリースおよび運用にあたっては、とくに近年導入が進むアジャイル開発においてテスト工程を自動化するツールやアプリが求められている。
その一つであるポルトガルの「OutSystems」開発環境で活用できるのはオープンソース(OSS)の「Selenium」が主流だった。しかし、「Selenium」は日本語のドキュメントが少なく、適切なサポートも受けにくいという課題があった。
その課題解決のため、ローコード開発基盤の導入・活用コンサルティング事業などを手がけている株式会社REQWARE(リクウェア)は、「OutSystems」開発環境で役立つ独自開発のUI自動テスト用ウェブアプリ「Tellus(テルス)」の提供を開始した。
専門的な知識やスキル不要で効率的なテストを自動実行
「OutSystems」は、ソースコードの記述が必要なく、また専門的な知識やスキルがなくても、すばやくかつ低コストで多彩なウェブアプリケーションの開発ができる“モデル開発型開発技術”を採用したプラットフォーム(統合開発基盤)である。
「Tellus」は、この「OutSystems」の活用シーンで役立つUI自動テスト用のウェブアプリだ。専門的な知識やスキルがなくても効率的なテストを自動的に実行できる。
また、日本語に対応するとともに、「OutSystems」開発環境のモデルと呼ばれるアイコン形式のテストスクリプトからブラウザ操作を自動実行できる。
「Tellus」のおもな特徴とメリットは以下のとおり。
- 専門的な知識やスキルがなくてもテストスクリプトの自動生成を実現
ソースコードを記述する必要のない「OutSystems」開発環境の特徴を活かし、JavaやC#などのテキストコーディングが不要で、高い生産性と品質向上を実現できる。 - 複数ノードでの分散テストが可能な「Selenium Grid」のラップモジュールを内包
「Selenium Grid」のラップモジュールを内包しているため、少ない手間とコストで複数ノードでの分散テストが実現できる。
- テストの予約実行
あらかじめ登録されたテストスクリプトを、指定の日時で予約実行できる。これにより、就業終了前に夜間の自動実行を設定するなど、作業の効率化を図ることができる。 - ウェブアプリケーション開発のスピードアップとコストの大幅削減
日々実施される回帰テストの自動化が求められているアジャイル型開発を手がけている現場において、「Tellus」を導入・活用することで、開発とテストが同じ基盤で実行できる。また、REQWAREのサポートにより、大幅な業務とコストの削減を実現できる。
Webアプリ開発のハードルを低くする「Tellus」
現在、企業から個人向けまで、さまざまなWebアプリが求められている。しかし、その開発や構築は非常に専門的で、難しく、コストもかかるものであった。
今回の「Tellus」はこれらの問題を解決し、さらに日本語に対応しているという。また、簡単な教育により、開発者ではないユーザーでもテストスクリプトを記述することも可能となるという。
「Tellus」によりWebアプリ開発のハードルが低くなったといえる。誰でも簡単に、Webアプリの開発が可能な時代はもうすぐそこまで来ているのだ。
Img:Value Press