昨今、日本の労働環境における様々な問題が話題となっている。まず挙げられるのが、長時間労働、少子高齢化だろう。また、これらが進むにつれ、子育てや介護との両立も大きな問題だ。そして、正規雇用・非正規雇用という働き方による待遇の差、平均年収の低下による副業の容認など様々な課題が存在している。
今回は、不動産業従事者を対象にした、労働環境に対する考え方に対する調査が行われた。
不動産関連ソフトウェア事業を手がける日本情報クリエイト株式会社は、全国20~50代の不動産業に従事している男女654人に「システムに関するアンケート調査」を行い、働き方改革が必要とされる現代社会の実態を調査した。その結果、勤務先が「働き方改革」にとりくんでいるのは全体の1/4程度に過ぎないことが判明した。
75%が勤務先が「働き方改革」に取り組んでいない
まず、「現在の勤務先は働き方改革に取り組んでいますか?」という質問をしたところ、「はい」と回答したのは全体の25.00%に留まり、「いいえ」と回答したのは75.00%という結果になった。
同社ではこの結果について、一人ひとりの能力を最大限に発揮し、より良い環境で働くためには企業側が前向きに働き方改革に取り組み、労働生産性の向上を阻む問題を少しずつ改善していく必要があると分析している。
続いて「業務の生産性を向上するために必要な取り組みはなんですか?」という質問をしたところ、「長時間労働の見直し」が30.35%、「有給休暇を取得しやすい環境の整備」が23.88%、「システムの導入」が13.56%という結果になった。
過労死(karoshi)という言葉が英語辞書にも載っているように、日本は先進国のなかでも労働時間が長く、長時間労働が問題視されている。
長時間労働の原因として、労働人口の減少や少子高齢化などが考えられる。しかし、個々の能力や家庭事情に柔軟に対応した働き方ができる環境が整備された企業が増えれば、働く世代のワークライフバランスが確立し、生産性を向上することができるようになる。
そのためには、「企業のために全てを犠牲にして労働する」という考えを捨て、業務効率をアップするシステムを確立し、社員が決められた時間の中で最大限のパフォーマンスを発揮できる環境を作ることができるかどうかが、今後の厳しい経済を生き延びる鍵を握っていると、同社は提言している。
システム化を望むのは「顧客のデータ管理」が最多
「現在の業務において、システム化を望む項目を選択してください」という問いには、35.05%が「顧客のデータ管理」、27.73%が「契約書や帳票等のオリジナルデザイン作成」と回答した。
不動産業における煩雑な業務を改善するためには、顧客のデータ管理や契約書や帳票などのオリジナルデザイン作成などをシステム化し、人為的ミスやタイムロスを防ぐことが必要不可欠のようだとしている。
同社によると、扱う件数が少なければアナログで業務をこなすメリットはあるかもしれないが、手書きの台帳による顧客管理を続けていくとなると、膨大な時間と労働力が必要となり、大きなデメリットを生む可能性があるという。
近年では便利なシステムが増えているため、顧客のデータ管理や契約書や帳票等のオリジナルデザイン作成など、必要に応じてシステム化していくことの検討を提案している。
そして、システム化を望む理由は、半数以上の52.02%が「業務効率化」と回答している一方で、システム化を望まない理由として「覚えるまでが大変 (30.16%)」「定着しないから(29.06%)」という結果になった。
同社によると、システムを導入したところで、覚えるまでが大変でなかなか定着しないようなものでは、かえって効率が悪くなってしまうという。
実際に働いている人にとって負担にならないような、使い勝手が良く自社に合うシステムを採用することで業務の効率化を狙うことがとても重要となると分析している。
働き方改革実現に向け企業に合ったシステムの導入を
「働き方改革」は実際は、まだそれほど浸透しないのが現状だ。今回の調査では、不動産業界は特に遅れていることがわかった。
不動産業界でも今後人手不足が懸念されるという。このため、効率的に集客して費用対効果を高めるためには働く側の視点に立って働き方を見直すことが重要となる。そのためには、その企業に合ったシステムを導入することが、働き方改革実現の近道となるのだ。
img:PR TIMES