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あなたにとって通勤とはどんな時間だろうか。休憩や仕事に向けたウォームアップなど企業に勤めるビジネスパーソンにとって、通勤時間をどう有効に活用するかという問題は大きい。
特に、都心部に勤める人なら、電車で片道1時間は普通、さらには2時間という人もいるため、その時間をどう有効に活用するか、頭を悩ませている人も多いだろう。
良質な教育を提供し、ビジネスマンのスキルアップを支援する株式会社オンラインスクールでは、1都3県(東京、埼玉、千葉、神奈川)在住の通勤に電車を利用しているビジネスパーソン男女1,000名を対象に、通勤電車の過ごし方に関する実態調査を実施した。
その結果、通勤電車での過ごし方ランキング(立席編)第1位は「ニュースサイトの閲覧」で32.4%、(着席編)第1位は「仮眠、休憩」で37.9%だった。
34.4%が「通勤時間を有効に使えている」
まず、通勤電車内での時間を有効に使えているかを聞いたところ、「とても有効に使えていると思う(8.5%)」「どちらかというと有効に使えていると思う(25.9%)」と合わせると34.4%のビジネスパーソンが通勤電車内での時間を有効に使えていることがわかった。
一方で「全く有効に使えてないと思う(8.9%)」「どちらかというと有効に使えていないと思う(20.5%)」と29.4%のビジネスパーソンは通勤電車内の時間を有効に使えていないという結果にわかれた。
しかし、最も多いのは「どちらでもない」の36.2%で、多くの人はあまり有効利用しようと考えずに通勤しているようだ。
次に、年代別にみてみると、「とても有効に使えていると思う」「どちらかというと有効に使えていると思う」と回答した人は20代が44.0%、30代が36.5%、40代が30.0%、50代が29.0%、60代以上が32.5%だった。
この結果から最も通勤電車内での時間を有効に使えていると感じているのは20代のビジネスパーソンであることがわかった。
利用している通勤電車の混雑度合いと、通勤時間を有効に使っているビジネスパーソンとの関係性を調べたところ、通勤時間を「とても有効に使えていると思う」「どちらかというと有効に使えていると思う」と回答した人は、通勤電車が「とても混雑している」人で35.9%、「どちらかというと混雑している」人で36.1%という結果だった。
一方、通勤電車が「全く混雑していない」人で32.0%、「どちらかというと混雑していない」人で32.4%という結果になり、通勤時間を有効利用できているか否かは、通勤電車の混雑度にそれほど影響されないという結果になった。
この結果は少々意外ではないだろうか。都心部の通勤電車の混雑は並ではなく、普通に考えると、混雑しているととても時間の有効活用どころではないと思われるからだ。
また、自身の収入に対しての満足度と通勤電車内での時間の有効利用の関係性を調べてみたところ、通勤電車内の時間を「とても有効に使えていると思う」と回答した人は、収入に対しても「とても満足している(30.6%)」「どちらかというと満足している(30.6%)」と合わせて6割以上のビジネスパーソンが収入に満足していると回答した。
これにより、同社では通勤電車内での時間を有効に使えていると感じているビジネスパーソンほど、現在の収入に満足していることがわかったとしている。
そして、通勤電車内での時間を有効に使えていると回答した344名を対象に、有効に使えていると思う理由を聞いたところ、最多回答は「日々のニュースなど様々な情報を取得できるから(54.1%)」。次に「読書や音楽など自分の趣味に時間が使えるから(40.4%)」、「ビジネスや経済情報など仕事に関連した情報を取得できるから(34.9%)」と続いた。
通勤電車内での時間を有効利用できていると回答したビジネスパーソンは、情報収集や趣味の時間など通勤時間を有効活用して過ごしていることがわかった。
このような活用の背景にはスマートフォンなどモバイル端末の進化があるだろう。ビジネスパーソンの多くが通勤時間を利用して情報取集しているのだ。
立席時は「ニュースサイトの閲覧」、着席時は「仮眠、休憩」
通勤電車内で立っている時にどのように時間を過ごしているか聞いたところ、第1位は「ニュースサイトの閲覧(32.4%)」、第2位は「特に何もしない(24.7%)」、第3位は「音楽やラジオを聴く(22.3%)」だった。
年代別にみてみると、20代の1位は「SNSの利用(37.5%)」、30代が「ニュースサイトの閲覧(32.5%)」、40代「ニュースサイトの閲覧(41.0%)」、50代「ニュースサイトの閲覧(35.0%)」、60代以上は「特に何もしない(48.5%)」という結果になった。
続いて、通勤電車で座っている時、どのように時間を過ごしているか聞いたところ、第1位は「仮眠、休憩(37.9%)」、第2位は「ニュースサイトの閲覧(36.7%)」、第3位は「読書(紙の書籍)(26.2%)」だった。
年代別にみてみると、50代の第3位に「読書(紙の書籍)(28.0%)」、60代の第2位「読書(紙の書籍)(32.0%)」と50代以上のビジネスパーソンは通勤電車内で着席時は読書(紙の書籍)する人が多い傾向にあることがわかった。
やはり、立席時と着席時では、状況が大きく異なる。立席時はアクティブに情報収集し、着席時は休息し、これから始まる仕事に備えるといったところだろうか。
進む通勤ラッシュ回避施策
仮に片道1時間かかるとして、往復で1日のうち2時間通勤時間にかかることになる。ビジネスパーソンにとってこの2時間を無駄に使う手はないだろう。
東京都は「働き方改革」の一つである「時差Biz」を進めている。これは、通勤ラッシュ回避のために通勤時間をずらそうという取り組みだ。このような通勤ラッシュ回避のための施策は今後も進められるとみられ、通勤時間の有効活用の環境は改善されていく方向に進むのではないだろうか。
img:PR TIMES