eスポーツ後進国日本。認知率は1年で倍に、1,200名を対象とした「eスポーツ」認知度調査

ゲームをスポーツ競技の一種としてプレイおよび観戦する「eスポーツ」は、世界的にみると他のメジャースポーツに負けない盛り上がりをみせている。

eスポーツ市場の調査を行うオランダのNewzooによれば、eスポーツの競技者・観戦者・視聴者の合計が2017年には世界で3.8億人に達しており、2020年には、メジャースポーツと同等の5億人を突破する予測とのこと。

それと比較してNewzooによる調査では日本のeスポーツ人口は390万人にとどまっており、2018年時点で9億5,660万ドルともいわれる巨大な規模をみせる同世界市場で大きく出遅れていた。

そんななか、日本でのeスポーツ認知度が急激に高まったとの調査結果が発表された。

国内のeスポーツ認知率は前年度比の約2倍に上昇

eスポーツ大会「RAGE」を開催する株式会社CyberZは2018年9月に、日本国内に在住する10代~60代の男女1,200名を対象としてeスポーツに関するユーザー認知度調査を実施した。

株式会社CyberZは、株式会社サイバーエージェントの連結子会社であり、9月16日(日)には幕張メッセで国内最大級のeスポーツイベント「RAGE 2018 Autumn」を開催する予定。

この調査では、eスポーツの認知率について調べた。結果、全世代の認知率は49.8%で、前年度に行われた調査結果(認知率:26%)の約2倍となった。性別・世代別でみると、男性・若年層の認知率が特に高く、10代男性(78%)・20代男性(75%)では実に約8割に上った。

出遅れていた感のある日本のeスポーツ市場が、巻き返しを見せる兆しといえそうだ。

eスポーツを知った時期は、1年以内が全体の約80%

次にeスポーツを初めて知った時期について聞いたところ、全体の77%が1年以内と回答。2017年~2018年の1年間で急増していることがわかった。

またeスポーツを知っていると答えたユーザーのうち過半数(53%)が、テレビやネットなどで話題をみたことがあると回答。実際に観戦したことがあるというユーザーも全体の14%に上った。

eスポーツのオリンピック種目としての採用が検討されるなど、昨今はeスポーツに関する話題が少しずつニュースになっているが、eスポーツが国内にも浸透しはじめているようだ。

eスポーツの認知度が高まれば、観戦するユーザーがもっと増えていくことだろう。

スポーツ競技が世界的に活躍するスター選手の登場で一躍有名になるように、eスポーツもスポーツ番組などで国内選手の活躍ぶりが連日放映されるようになる、といった日も近いかもしれない。

10代男性の約半分が、人がゲームをしているのを見るのが好き、と回答

同調査では、人がゲームをしているのを見るのが好きかについても聞いた。

「好き」と回答したのは、全体でみると約1/4(23.9%)にとどまるものの、10代男性では半数(約50%)が好きと答えるなど、世代によって大きな開きがあるようだ。

ちなみに男性20代でも1/3超(約37%)が「好き」と答える一方で、男性50代以上になると10%をきっている。一方、女性をみても10代女性の半数(約48%)、20代女性もほぼ半数(約43%)が「好き」と答えた一方で、女性40代以上は10%以下にとどまった。

男女ともにゲームに慣れ親しみ、次世代を担う若い層がゲーム観戦に抵抗がない(むしろ好き)というのは、国内のeスポーツ市場にとっても歓迎すべき結果といえるだろう。

日本ではeスポーツのゲームコーチングを文化にしようとするサービスも登場

eスポーツを盛り上げようという動きは、他にもさまざまある。その1つが2018年7月に登場したeスポーツのコーチとプレイヤーをつなげる新サービス「GamerCoach」だ。

プレイヤーが、独学でeスポーツを学び上達するのは容易ではない。かといって、適切なコーチの探し方もわからない現状があった。一方、eスポーツがまだ一般化していない日本において国内のプロプレイヤーは、ゲーム収入のみで生活するのも難しい状況だ。

そこでGamerCoachではプロプレイヤー達にはコーチ登録してもらい、そこで収入を得てもらう。一方、プレイヤーは、登録されたコーチを選びコーチングを受ける。

株式会社GamerCoachは、今回リリースしたこの新しいサービスによって、ゲームコーチングという文化の普及を目指しているという。

日本でもeスポーツがメジャースポーツに並び立つ日は近いか

前述したように、今回の調査結果は、世界に比べると出遅れている国内のeスポーツ市場の盛り上がりを予感させる兆しといえるだろう。

中高年以降の世代を中心として、ゲームをスポーツではなく単なる遊びの一種と捉える傾向は、まだ国内では根強い。

けれどeスポーツが国内でも世界に負けない盛り上がりを見せるようになれば、市民権を得て1つのスポーツ文化として認識されるようになっていくだろう。GamerCoachのような国内のeスポーツ発展に貢献できるようなサービスや動きも、今後活発化していくと想定される。

img:PR TIMES , PR TIMES

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