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空前の売り手市場となっている昨今では、企業の競争力は採用競争力に大きく影響を及ぼしている。
ダイレクトリクルーティングの必要性が叫ばれているが、採用工数がかかる上に、候補者の母集団形成に限りがあるという問題もあり、採用マーケティングの在り方が見直されつつある。
一方で、本業として採用業務を希望して転職するデジタルマーケターは少数であり、企業が欲しいニーズとのギャップが生まれているのが現状だ。
このような問題を解決するべく、株式会社エムステージ(所在地:東京都港区、代表取締役:橋崎良哉)は、副業やフリーランスのマーケターを急成長企業とマッチングし、採用マーケティングを支援する「HR Hacker」を、2018年9月10日(月)よりリリースすることを発表した。
人事領域をデジタルマーケターによって改善する「HR Hacker」
本サービスは週8時間~稼働で月10万円~の報酬を目安に、マーケティングやアナリティクスのノウハウをHR領域に持ち込み、企業の採用活動を改善、成長させる案件を紹介するといったものだ。
HR Hackerは、デジタルマーケティングやデータ解析の経験があるといった基準を設けており、以下のようなユーザーをターゲットとしている。
- 現在マーケターや広告代理店で勤務されていて副業/パラレルキャリア希望
- データアナリストの方で副業/パラレルキャリア希望
- 元マーケターやデータアナリストで産休中/育休中/時短中
- フリーランスとして既にマーケター/データアナリストとして活動中
HR Hackerの特徴は以下のとおりだ。
- 急成長企業に採用マーケティング業務に特化してマーケターを紹介
ペルソナ設計、ブランド設計、UX・カスタマージャーニー設計から、具体的なデジタル広告運用、コンテンツマーケティング、採用広報、求人やスカウトメッセージのA/Bテスト、効果測定のためのデータ解析などのニーズを網羅。
更には候補者や退職者のナーチャリングといったマーケティングオートメーションを踏まえ、外部から参画する採用マーケターを紹介する。 - 採用未経験のマーケターとの協働を実現
登録されている採用業務未経験のマーケターに対し、社内に在籍する採用とデジタルマーケティング両方の実務家によって、マーケターの言葉で採用市場の知見を共有し、プロジェクトを進めていくことが可能。 - 在宅、リモートで可能な働き方が可能
マーケターとしての業務は必ずしもクライアントのオフィスに席を持つ必要はなく、リモートや在宅など、利用者に柔軟な働き方ができる機会を提供。
冒頭で述べたように企業競争力は企業の採用活動に直結していることもあり、多くの企業が改善に力を入れている。急成長企業では少数人員であらゆる業務を行わなければならないため、同サービスは心強いものとなるだろう。
約5割が「人事部にHR Techが必要だ」と回答
企業の採用活動を支援するサービスが展開されている背景には、ある興味深い調査結果がある。
人事領域(SAP)に特化したコンサルティング事業を手掛ける株式会社オデッセイは、「働き方改革」に対する意識を調査するため、全国の人事部門または「働き方改革」に係わる部門の所属者を対象に「働き方改革に関する意識アンケート」を実施した。
今回の調査では「人事部にHR Techは必要だと思いますか」という質問を投げかけている。その結果、「必要だと思う」が22.8%、「どちらかというと必要だと思う」が26.6%という結果になり、人事部にHR Techが必要だと約半数が回答した。
また、注目しているHR Techは、「人材を増力化し生産性の向上を実現するテクノロジー(タレントマネジメント)」(149)が最も多く、続いて「人間以外の労働力を活用するテクノロジー(RPA)」(136)となり、「働き方改革」実現のためにHR Techに年間で1,000万円以上の予算をかけても良いと約4割が回答した。
国内では深刻な少子高齢化を迎えることに加え、長時間労働抑制といった問題が叫ばれるなか、政府主導で「働き方改革」が推進されており、自社の生産性向上を図る上で、テクノロジーを用いた人事領域の業務の改善が一番に求められているようだ。
企業と個人の架け橋となるか
働き方改革が推進されるなか、世間では一つの企業に務めるという考えが改められ、副業やフリーランス活動が増えつつある。
一方、企業は少子高齢化による労働人口の減少や働き方の多様化により、採用活動を見直さなければならなくなるだろう。
HR Hackerはデジタルマーケティングのノウハウを持ったユーザーと企業の架け橋となることで、採用活動を効率的かつ最適化することにより、企業の成長を促すことだろう。
img:Value Press