犬や猫に代表されるペットは家族と同じ存在だ。飼い主は、まるで自分の子供、あるいは肉親と同じ目線でペットを可愛がり、愛情を注ぐ。このため飼い主は、自分のペットの健康状態を気にし、それに一喜一憂する。
ペット流通に安心を提供する株式会社Pontelyは、先天性遺伝子疾患を含めたペットの健康リスクを購入前に知ることができるサービスを開始した。
Pontelyは、家族化が進んでいるペット業界のトレンドと遺伝子疾患に関する研究が進んでいる遺伝子業界のトレンドに着目し、「ペットは家族。安心して迎えられる世界に」という理念のもと、ペット流通に関する不安をなくし、家族を安心して迎えられる世界をつくるためのライフサイクルプラットフォームサービスを提供していく。
購入前にペットの健康リスク詳細を確認できるサービス
今回開始したサービスは、ペットの健康リスクを購入前に知ることができるサービスだ。契約ペットショップに配布している認定証や弊社WEBサイト上にて、事前にペットの健康リスク詳細を確認することができる。
これにより、ペットを飼いたい人は、先天性遺伝子疾患を含めたペットの健康リスクを、購入前に理解した上でペットを購入することが可能となる。
同社では、このサービスにより、ペット購入後に先天性遺伝子疾患を発症し、後から急に高額な医療費が必要となる事例や、発症したことによってペットが捨てられてしまう事例の発生数が減少すると考えているという。
また、掲載しているペットは、同社契約検査員が犬舎を訪問し直接検査しており、認定証にも検査時に撮影した写真を利用することで、検査結果の信頼性を高めている。
遺伝子解析もペット遺伝子検査の実績があるアニコム先進医療研究所株式会社に委託しており、学術論文のリファレンスがある先天性遺伝子疾患は全て検査している。
今後、遺伝子情報を元にしたペットの行動特性などの追加や、事前検査内容の拡充など、ペットを安心して飼い始めることができる情報を、随時追加公開していく方針だ。
そして、現在ペットショップやブリーダーによって違いがあるペット購入時の検討基準を、Pontelyが飼主の立場にたった観点にて共通化し、全てのペットを飼いたい方が安心してペットを購入できる世界を実現していくという。
また、Pontelyでは、今回開始したサービス以外にも、ペット流通に関する不安をなくし、家族を安心して迎えられる世界をつくるためのライフサイクルプラットフォームサービスを提供するために新たなサービスの公開も予定している。
今回のサービスで取得した遺伝子情報などのさまざまな情報と、今後提供予定サービスの情報をリンクさせることで、ライフイベントごとにペットそれぞれに合った最適な提案を行い、「ペットとともに安心して便利に暮らせる世界」の実現を目指す。
核家族化がペットを家族化。ペットケアサービスも数多く登場
内閣府が行った『動物愛護に関する世論調査』では、少子高齢化や核家族化が進む中で、人とペットの関係はどのようになっていくと思うか聞いたところ、「家族の一員同様にともに生活する世帯が増える」を挙げた者の割合が43.3%と最も高かったという。
このように、「家族の一員」という認識が強まる中で、ペット関連の支出も伸びている。一般社団法人 ペットフード協会が行った『全国犬猫飼育実態調査』によると、1カ月あたりの犬猫に関する2017年の支出総額は18,293円と2016年の1,3482円から大幅に増えている。
一方、このようなペット市場の成長とともに、ペットケア関連のサービスを提供するスタートアップも次々と登場している。
まず、ドッグフードの宅配サービス「The Farmer’s Dog(ザ・ファーマーズ・ドッグ)」や「Ollie」は、愛犬の犬種や年齢に合わせ、パーソナライズされたドッグフードを自宅に届けてくれるサービスだ。
また、飼い主が不在のときの課題を解決するための代行サービスも多く出てきている。その一つである犬の散歩代行アプリ「Wag!」を手掛けるスタートアップ企業・ワグ・ラブズに、ソフトバンクが3億ドルもの額を出資すると発表している。
さらに、ペット版Airbnbのようなシッターサービス「DogVacay」も人気だ。これは、飼い主の都合で散歩に十分な時間を割けない、室内で飼っているため適切な運動量が担保できないという場合でも、運動の機会を作るというサービスだ。
ほかにも、ペットの健康を維持するサービスも登場している。ペットの体調が悪いとき、獣医が自宅まで診察・治療をしにきてくれるという「Vet pronto」や、ペットに首輪型のウェアラブルデバイスを装着し、活動状況をモニタリングしながら健康をサポートするという「Whistle」などがある。
核家族化や高齢化が進みペットはますます大きな存在に
かくいう筆者も大の猫好きとして家族や友人・知人の間では有名だ。学生時代から長い間、地域猫の多い街のアパートで独り暮らしをしていた。
部屋は1階だったため、しょっちゅう窓から猫が餌を求めて入ってくる。そして、馴染みになり、飼うことになる。こんなことを長年繰り返し、それは今も続いている。
ゆえに、ペットを愛する人たちの気持ちはよくわかる。特にその健康問題は深刻だ。
先天性遺伝子疾患を含めたペットの健康リスクを購入前に知ることができるというのは、非常に歓迎すべきサービスだ。さらに核家族化が進み、高齢化も進むため、ペットは今後、われわれにとってますます大きな存在となり、こういったサービスの充実の重要性は増していくことだろう。
img:PR TIMES