インターネットが進化し続け、Eコマースが発達したことによって起こるチケットの二次流通問題が、昨今クローズアップされている。「チケットの転売」は、買い占めにより価格が不当に高く釣り上げられることや、偽造チケットの流出など、多くの問題をはらんでいる。
「エンタメに関わる全ての人を幸せにする」を理念とするチケットジャム株式会社は、チケット二次流通の全ての問題を解決するという新しいチケット売買サービス「チケジャム(ticketjam)」をリリースした。
チケットの出品可能枚数の制限で二次流問題対策を
チケジャムは、取引が完了するまで代金を一時的に預かるシステムを導入している。これにより、公演を楽しむまで安心・安全なやり取りが可能になるという。また興行主への売上還元システムを導入し、チケジャムの理念に賛同する興行主にはチケジャムで発生した利益を還元する。
チケジャムの特徴は以下の3つ。
- 安心安全な取引
- 興行主への売上還元
- 出品制限による転売対策
また、会員登録無料、当日まで売買可能、情報非公開で取引可能、全額返金制度あり、といったメリットもあるため、今まで以上に安心感をもって取引できるとしている。
また、チケジャムは不正な高額転売について、出品できるチケットの出品可能枚数に制限を設けており、興行主と協力し、1次流通を含め理想的な仕組みづくりに取り組んでいる。
しかし、一方で不正ではなく諸事情で急に公演やライブなどに行けなくなることは、実際に起こる。そこで、チケジャムは、電話番号認証、本人確認書類の提出によって複数アカウントの防止と同一公演の出品制限などを設けているという。
その他にもユーザーが気軽にエンタメを楽しむための利便性を損なわない形での転売対策を考えているとしている。
全員のベネフィットを実現する「リコチケ」とは
チケットの転売防止サービスの一例としては、シールドバリュー株式会社が2018年3月1日からスタートした新型のチケットプラットフォーム「リコチケ」がある。
「リコチケ」は音楽ライブ・劇場・クラブイベントなど、大小あらゆる興行のチケッティングを総合的にサポートするプラットフォームになっており、キャンセル・再販・譲渡が可能なサービスだ。
一次流通(販売)と二次流通(譲渡)を包括的に取り扱い「チケット転売問題」を解決し、興行主・アーティスト・ユーザーの全員のベネフィットを実現するのが狙い。
会員登録すると同行者を含め、最大5枚までチケットを購入できる。購入時には、同行者全員の氏名の登録が必要で、公演当日、には、身分証により本人確認を行う。
また、キャンセルされたチケットを即時に再販する「キャンセル機能」、第三者へ販売譲渡できる「マッチング機能」、出品者の売り上げの一部興行主へ還元する「追及権」の採用など「チケット転売問題」対応も万全だという。
はびこる「転売ヤー」をどこまで排除できるか
最近では、チケットなどを高額で転売することを目的に買い占める「ダフ屋行為」を行うものを「転売ヤー」という。これは、転売屋とバイヤーを合わせた言葉だが、インターネット普及した現在では、この「転売ヤー」の介入が大きな問題となっている。
最近では、5月に亡くなった歌手の西城秀樹さんの葬儀で配布された記念品がヤフオクで高額転売され、問題となっている。西城さんは大人気歌手であったため、ファンの思い入れも強く、単に金銭的な問題だけではなく、ファンの心証を害する問題としてメディアでも大きく取り上げられた。これも、「転売ヤー」の実例の一つだろう。
チケジャムがどこまで、このような「転売ヤー」を排除できるか。今後の展開を見守りたい。