年収1,000万円を実現するには、どうすればいいのか。
社会でのキャリアをスタートする20代。30代・40代で年収1,000万円、という目標を持つ人も多いだろう。その目標を実現するためには、実際に年収1,000万円を達成しているミドル世代の実態を知るのが、近道となるかもしれない。
ここでは、転職コンサルタントが現場で接してきた「年収1,000万円超ミドル」の特徴をみていきたい。目標実現へのヒントになるだろう。
年収1,000万円超ミドル世代の、経歴・キャリア
2018年8月23日、エン・ジャパン株式会社は、「年収1,000万円超ミドルと1,000万円未満ミドルの経歴の違い」についてのアンケート結果を公表した。
エン・ジャパンは、30代・40代の転職サイト「ミドルの転職」を運営する企業だ。アンケート対象は、サイトを利用する転職コンサルタント109名。2018年8月1日~16日に、インターネット上で行われた。
年収1,000万円未満のミドルと、1,000万円超のミドルの違いは何だろうか。経歴・キャリアの違いについて、転職支援のプロである転職コンサルタントに聞いた。
73%の転職コンサルタントが、「平均給与額が高い業界でキャリアを積んできている」と答えた。以下、「外資系企業で実績を出している」(71%)、「大手企業に長年勤めている」(56%)という回答になっている。
では「平均給与額が高い業界」とは、何を指すのだろうか。さらに、「年収1,000万円超が実現しやすいのは、どの業界ですか」とたずねた。
その結果、以下のような回答になった。
- 「コンサルティング」(62%)
- 「金融」(60%)
- 「商社」(55%)
この上位3業界について、転職コンサルタントはどうみているのだろうか。
コンサルティング・金融・商社、業界の現状と展望
アンケート結果では、各業界に対する転職コンサルタントの見方も示されている。
コンサル業界で働く人は、転職先として、同業界と事業会社2つの選択肢がある。そのため、需要が多い売り手市場が継続するようだ。
グローバル化の拡大で、企業は、社外のコンサル情報を求める機会が増えた。特化した領域・総合的な領域、両方を兼ねそなえたコンサルティング能力が必要とされている。キャリアを積む際に、意識すべきだろう。
金融業界の人材に対しては、Fintechやスタートアップ企業からの求人が活発だ。高年収帯や、新規事業系の求人が増えると考えられる。
業界全体としては、Fintechなどの影響で就業人口が減っている。全体での転職市場は、鈍化する傾向にあるようだ。
商社業界においては、「語学力」がスキルとして求められている。グローバル化が進み、経理や法務などの管理部門でも、語学力を求める求人の増加がみられる。習得すべきスキルとして、重視する必要があるようだ。
また年収1,000万円超となると、商社でも大手5社限定という声も聞かれた。
年収1,000万円超ミドルの、経歴・キャリア以外の特徴は
キャリア・経歴だけでは、年収1,000万円実現への手がかりとして、不足に感じるかもしれない。では、年収1,000万円超ミドルと、年収1,000万円未満ミドル。キャリア以外の特徴には、どんなものがあるだろうか。
転職コンサルタントの55%は、二者の間に違いを感じると認めている。
具体的な違いとしては、
- ヒューマンスキル(マネジメントスキル、目標設定能力、部下育成など)
- コミュニケーション能力が高く、ロジカルな思考で意思決定が早く、数字に強い
- 眼前の課題や目標に対する成果へのこだわりの強さ
- 新しい知識や情報を得ることの習慣化
が挙げられた。
早いうちから、これらの特徴を身につけていくことが、年収1,000万円実現につながるのかもしれない。
転職コンサルタントからのアドバイス
アンケート結果には、年収1,000万円超を目指す人々へのアドバイスも、掲載されている。
「何のために年収1,000万を目指しているのか」、目的を明確にするべき。年収目的だけで転職をしても、また違う悩みが生じる。まず、自分の目的を実現できる場所を選び、その場所が適していれば、結果として年収の大幅上昇に結びつくという形が望ましい。
「単に高年収を目指す」「仕事内容、勤務環境を重視する」。考え方で転職の方向性が変わってくる。どちらにしても、自分が持つ経験・スキル見極めて活動することが必要だ。
年収1,000万円実現には、日ごろの人間関係・ネットワーキングを大切にしなければならない。しかし、「年収のため」という気持ちが露骨になることは、絶対に避ける。人のために役立とうとする信念を持ち、自然体で接するのが大切だ。
30代、40代でリスクをとってチャレンジする。そこで大きく自己変革ができれば、魅力的な企業との出会い・目標とする年収の実現が待っている。
転職支援のプロによる助言は、心に留めておくべきだろう。
年収1,000万円へのキャリアアップ。これからの世代がすべきこと
アンケート結果では、年収1,000万円を実現するキャリアとして、コンサルティング・金融・商社という3つの業界が挙げられた。年収1,000万円へ向けたキャリアとして、アンケート上位の業界への就職・転職を検討するのがいいのかもしれない。
就職・転職を検討する際は、その業界の状況を知ることも大切だ。語学などのスキルや能力、業界で求められるものを意識しながら、身につけていく必要があるだろう。
転職コンサルタントが描く、年収1,000万円超の人物像も示されていたが、こういった人物像を普段からイメージすることがいいのかもしれない。アドバイスには、年収だけでなく、生き方全般にかかわるものが含まれている。
年収1,000万円という目標には、数字しかないかもしれない。しかしそれを実現させるプロセスには、よりよい人生が伴うものになるだろう。
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