昨今では、スマホの普及に伴い、料理動画サービスの展開が加速している。

以前まで、料理情報はTVや専門誌で入手することが一般的であったが、現在ではWebやアプリから動画によってレシピを学ぶ機会が多くなっている。

そのような背景もあってか、『クックパッド株式会社』の連結子会社にあたる、料理動画配信事業を行っている『CookpadTV株式会社』は、『三菱商事株式会社』を割当先として40億円の資金を調達した。

CookpadTVの事業内容

CookpadTVは、2017年12月から、大手流通チェーンと連動して店舗で料理動画を配信するサービス「cookpad storeTV」事業を手がけており、オリジナル開発したスーパーの店頭サイネージ設置台数は、1万台を突破する勢いだ。

サイネージ配信の料理動画の週間閲覧数は、350万という高い数字を記録しており、日本最大級の店頭サイネージに成長している。また、cookpad TVは、ユーザ自身が動画の投稿ができる「cookpad studio」、料理のプロや有名人と一緒に料理を楽しむことができる「cookpadTV」というクッキングLIVEアプリ事業も行っている。

グローバルに食品関連事業を行っている三菱商事

三菱商事は、原料調達から小売までの各所において事業アセットを有しており、日本国内だけでなくグローバルに食品関連事業を行っている。

今回の資本提携によって、三菱商事のネットワークを活用して、cookpad storeTVの事業を日本国内だけではなく、海外にも展開することを視野に入れている。また、三菱商事とグループ企業で行っている流通企業向けデータ分析事業と連結した広告商品開発などを行う予定だ。

今後は、店頭で新たなサービスの提供にチャレンジすると述べている。

食分野の事業展開、急加速の可能性あり

今回のCookpadTVと三菱商事の資本提携は、事業展開のスピードを急速に加速させることに繋がるだろう。

その理由としては、お互いのノウハウやパイプを活かすことで、今まででは実現することができなかったビジネスモデルの構築、事業展開をすることができるからだ。

日本企業が海外展開をする際には、リソースやノウハウなど様々なことに苦しむことが多いが、商社である三菱商事との資本提携はそれらの問題を解決する道筋にもなるだろう。

また、多くの日本企業が国内マーケットのみならず、海外マーケットを視野に入れているため、CookpadTVと三菱商事の資本提携による事業展開や新規ビジネスは今後多くの企業に影響を与える一例となるかもしれない。

img:NIKKEI