日に日に世界中でAIへの注目は高まっており、ニュースやネット上で関連する話題を頻繁にみかける。IT専門の調査会社IDC JAPANの調査によれば、2022年には国内コグニティブ/AI(人工知能)システム市場の市場規模が約3,000億円にも達するそうだ。
AIは企業の業務効率化などに貢献するだけではなく、一般個人の日常の生活に関係するさまざまなシーンでも活躍を始めている。そんな中、迷うことの多い服探しをAIが手伝ってくれるサービスが登場する。
AIを活用し、似ている服を探してくれる「画像 de fashion Search」
それがファッションEC事業を手掛けるマガシーク株式会社(以下、マガシーク)によって、2018年8月24日にリリースされる『画像 de fashion Search』(ガゾウ デ ファッション サーチ)』だ。
マガシークが株式会社NTTドコモ(以下「ドコモ」)と共同で運営するファッション通販サイト「d fashion(R)(ディーファッション)」にて、「画像 de fashion Search」による服の検索が可能となる。
d fashionは、ドコモが運営する「dマーケット」内のファッション通販サイト。人気のセレクトショップやスポーツブランドなど、800ブランドを超える衣料品・ファッション雑貨を取り揃え、dポイントを使ったり毎月の携帯電話料金と一括で支払ったりすることができる。
「画像 de fashion Search」では、まず欲しい服のイメージに近い写真や画像をサービスに取り込む。それだけでd fashionで販売中の膨大な数の商品の中から、その写真や画像に近い服を検索してくれるのだ。
画像認識に長けたAIならではのサービスといえるだろう。トップス・パンツなどのアイテムのカテゴリも、もちろんAIが認識する。
たとえば、SNSや雑誌などで気になった写真の服を探したり、ずっと前に購入したお気に入りの服に近いデザインの服を探したりなど、このサービスの利用シーンはさまざま考えられる。
特にSNSの投稿では、服のブランドなどの情報が掲載されていないことも多いため、AIの助けを借りたい人は多くいそうだ。
「画像 de fashion Search」は、ショッピングを快適に楽しくしてくれるだろう。
AIの検索結果をもとにさまざまな応用も可能
「画像 de fashion Search」は、単に似ている服を探すだけでない。くわえて、以下のような応用も可能となっている。
- 価格で商品を絞り込む。(※)
- 同じ画像を利用し、メンズ・レディスに切り替えて服を検索する。
- トップスの画像を読み込ませて、同じ柄のワンピースを探す、スカートの画像から同じ色のパンツを探すなど、アイテムのカテゴリを切り替える。(※)
※今年中に実装の予定
AIの画像認識によってネットショップで買い物ができるのが当たり前になれば、ショップのキーワード検索やカテゴリ検索を使う人は少なくなるだろう。
欲しい服の検索が簡単になれば、今以上にネットショップで多くの人に商品が購入される機会も増えると考えられる。
AIを用いたファッションサービスは他にも
画像認識が特なAIを用いたファッションに関するサービスは他にもある。その1つが株式会社STANDING OVATIONが手掛けるファッションコーディネートアプリ「XZ(クローゼット)」だ。
外出する際に、服のコーディネートで頭を悩ませた経験のある人は多いだろう。特に女性の中には、長い時間をかけて出かける前のコーディネートを決める人も多い。
XZは、AIが蓄積したユーザー所有の服に関する情報と、ファッションスナップのコーディネートパターンを解析して、もっとも適した着こなしを自動的に提案する独自のコーディネート提案エンジンを搭載している。
これにより、ユーザーの手持ちの服を含めた最適なコーディネートを提案することも可能だ。
着回しに悩んでいた服や、いつか着ようと買ったもののタンスにしまったままの服なども、XZに登録すれば約3秒で着回しコーディネートを提案してくれる。
くわえて気象庁の天気や気温の予報と紐づけることにより、ユーザー手持ちの服を含めた1週間分のコーディネートを提案してくれる「コーデ予報機能」も搭載する。
AIを用いたファッションに関するサービスとして、他にAmazonの「Echo Look」にも注目したい。
Echo Lookは同社の音声AIアシスタント「Alexa」を搭載し、本体に備わったカメラでユーザーの写真や動画を撮影。毎日のコーディネートを記録したり、撮影した写真を友達と共有したりすることもできる。
そしてEcho Lookでは、2つの写真を見比べどちらが似合っているか判断するLook’s Style Checkサービスを搭載している。
なおEcho Lookの価格は日本円で約2万2,000円。現在は招待制で購入するかたちとなっている。
女性が自分のコーディネートを決めるのにあたって、家族や友達の意見を聞くのではなく、AIの力を借りるのが当たり前になる日も近いかもしれない。
ファッションを手助けするAI登場で、AIが生活の身近に
AIを用いた「Pepper(ペッパー)」などのロボットや、Google・Amazonなどが販売しているスマートスピーカーなど、日常生活の中でもさまざまなシーンでAIが活躍し始めている。
ファッションという男性にも女性にも身近なシーンでAIが利用できるようになれば、AIが日常生活にとってより身近な存在になるだろう。今後も、日常生活を豊かにしてくれるようなAIを活用したサービスの登場は続くだろう。そして、そこからまた新たなビジネスモデルや市場が生まれてはずだ。
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