店舗集客や商品のレイアウト、キャンペーンの効果測定など実店舗では数値化出来ずに従来どおりに経験を頼りに行うことも多かったが、今後はそのような心配もなさそうだ。
店舗におけるムダがなくなる?AIを活用した店舗内解析ツールを販売開始
伊藤忠インタラクティブ株式会社はSkyREC Inc.と代理店契約し、「SkyREC Business Intelligence システム」の販売を開始した。このシステムはAIを使用したリテール店舗内解析ツールである。
このシステムを使用することで、店舗内の顧客の行動を数値化することが可能になる。つまり、来店数や滞在時間の把握に店舗レイアウトの最適化に使う事ができ、売上向上や在庫管理も役に立つ。
「SkyREC Business Intelligence システム」はカメラでの画像分析も可能なため、顧客がどのコーナーにどの程度の時間滞在したかも判別可能。他にも応用が効くため、入店率とPOSとの組み合わせで購買率も測定が可能になる。
これにより、以前まではアナログに頼ることも多かった、男女別、レイアウト改善比較、キャンペーン効果、期間・店舗ごと、顧客のニーズ変化の把握などさまざまな面で活用できる。
そのため、ムダがなく消費者のニーズ変化の対応に遅れることもない。また全てが数値化されるためアイディアや知識の属人化を防ぐことが可能だ。
今後店舗内の顧客によるデータを数値化することにより、業務が効率化され、効果が期待できるキャンペーン広告なども出せるだろう。そうなれば広告もより重要な物となってくる。
「Shufoo!」が実店舗への広告効果を可視化。GPS情報を利用した新たなデジタル広告の領域へ
実店舗における顧客データの可視化は、デジタル広告分野でも取り組まれているようだ。
以前までは、デジタル広告による実店舗への顧客の来店は可視化することが困難とされていたため、広告の費用対効果が測りにくいとされていたのだが、「Shufoo!」が作ったサービスにより、これらの可視化が可能となった。
この「Shufoo! Audience Targeting Ad(シュフー・オーディエンス・ターゲティング・アド)」のシステムはネット上に掲載した電子チラシをユーザーが閲覧。その後実際に来店したかをGPSで確認することで広告効果があるかを確認する。
このサービスを今後は、大手SNSなどの国内主要媒体にバナー広告などのフォーマットで配信予定。このサービスは実店舗があれば利用可能のため、ターゲット企業は広い。小売店を中心に他の業種にも広げていく予定だ。
今後の動向としてはこのサービスをまずは2018年中に100社へ広げていくことを目指している。様々なサービスが登場していく中で今後もデジタル広告競争はより加熱していくだろう。
実店舗の数値化が加速した後に必要になってくる付加価値とは
実店舗の数値化は今後もますます加速していくジャンルだろう。以前までは効果の可視化が難しく、数値化に対しても積極的に取り組むことも少なかったため、経験に頼ってしまう面も多かった。
今後はあらゆるサービス、商品、顧客情報が数値化され最適化されていくだろう。それをきっかけに実店舗もこれから大きく変わり始める。以前までのセオリーは通用しなくなることもあり、店舗間の“差別化競争”が増していくのではないだろうか。
img:PR TIMES