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「働き方改革」の浸透とともに、「ワーク・ライフ・バランス」の重要性に注目が集まるようになった。転職の際には「休暇」という言葉を非常に重要視する人も多くなってきた。特に、ミレニアル世代ではその傾向が強いようだ。
では、働き手の「休暇・転職」の実態はどうなっているのだろうか。株式会社レファミーが運営する転職プラットフォーム「referme(レファミー)」は、「休暇・転職」について、全国の20~30代・男女372名を対象にアンケート調査を行った。この調査では、働く20~30代の約60%が「思い通りに休暇を取れていない」ことがわかったという。
転職時の最優先事項は「休暇」のとりやすさ
調査は、2018年7月11日~7月31日の間にインターネット集計で行われた。対象は全国の20~30代の男女372名である。
まず、58.6%が「思い通りに休暇を取れていない」と回答した。「休暇を取得しづらい理由」では、「仕事が忙しく休暇を取得する時間がない」や「同僚に迷惑をかけるため」といった理由に多くの票が集まった。
また、その他の回答では「他の同僚との調整」や「保育園の予定」など、タイミングの調整に苦労しているという意見が目立った。
これらの結果からは、今回の調査対象世代より上の世代と「休暇」とりづらい理由は変わらないように思える。
また、全体の約90%が転職先を決める際の基準として、「休暇の取りやすさ」を優先する傾向があることがわかった。なかでも「休暇の取りやすさ」を「最優先」すると回答した人は全体の22.6%に上った。
また休暇を取りたい時期については「7月~9月」が47.9%、次いで「10月~12月」が34.1%と多く、反対に「4月~6月」は8.6%、「1月~3月」は9.4%と少ない結果になった。
若年層が、「働く」ということについて、報酬やスキルアップなどと異なった価値観を持っていることがわかるのではないだろうか。
理想的な働き方1位はブラジルの「バケーション休暇」
ここで、世界各国の休暇制度の現状をみてみたい。
オンライン総合旅行サービス「エアトリ」を運営する株式会社エアトリが10代~70代の男女849名を対象に行った「他国の働き方」に関する調査によると、まず各国で取り入れられている様々な「働き方」の施策は以下のとおりである。
- ドイツ:労働時間の制限
1日10時間を超える労働を法律で禁止 - ベトナム:副業/ダブルワーク
ベトナムでは複数の仕事を行うことが当たり前であり、過半数が兼業している。 - タイ:子連れ出勤
社会全体で子育てを行うという文化であり、子連れ出社も珍しくない。 - ブラジル:バケーション休暇
1年のうちに連続30日の有給を与えなければいけない。 - アメリカ:フレキシブルワーク
完全成果制。在宅勤務など働く場所や、労働時間も完全自由。 - イギリス:圧縮労働時間制
1日の労働時間を延ばす代わりに週の労働日数を少なくできる。 - スウェーデン:親休暇法
子供が8歳になるか基礎学校の第1学年を終了するまでに合計480日間を取得できる。 - オランダ:時間貯蓄制度
残業や休日出勤など所定外の労働時間を貯蓄し、後日有給休暇などに振り替えて利用できる。 - フランス:日曜勤務
日曜出勤で給与が平日の倍になるなど、高待遇となる。
そして、これらの働き方の中で「理想的な働き方」の1位はブラジルの「バケーション休暇」の14.3%だった。しかし、その一方で「実際に日本でも取り入れられそう」と答えた人は8.2%に留まった。
最も理想と現実の差が少なく、「理想的な働き方」だと答えた人が多かったのがオランダの「時間貯蓄制度」で理想が13.6%、現実が12.9%だった。
これから先、日本の社会は「ミレニアル世代」や「Z世代」という働き方にも多様性をもつ現在の若年層が担っていくため、こういったユニークな休暇制度を設けることで、ワークライフバランスを整えるということも、あながち夢物語ではないのかもしれない。
仕事に人生をささげる時代の終焉
今回の調査ではミレニアル世代をはじめとした若年層の転職時の最優先事項は「休暇」であることがわかった。
時代の流れか、働き方改革の浸透の結果か、いずれにしても企業戦士という言葉は死語になり、身を粉にして働き、仕事に人生をささげることが美徳とされた時代は近い将来、終焉を迎えそうだ。
img:@Press