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たとえばAmazonがドローンによる配達を検討するなど、世界中でドローンの活用に注目が集まっている。GPS・画像解析などのテクノロジーを活用したり、ドローンの利用は、有人では困難な低空での飛行や対象物に接近した飛行が可能だったりとメリットも多い。
しかし日本では、安全性やプライバシー保護などの問題からドローンに関する厳しい規制があり、ドローンを用いた技術開発では世界に大きな後れをとるのではないかとの懸念も指摘されている。そんな中、ドローンを用いた新しいソフトウェアが日本で開発された。
ドローンによる交通量計測を可能とするソフトウェアを開発
独自技術を用いたドローンサービスを提供するテラドローン株式会社では、ドローンを用いた交通量計測用のソフトウェアを開発した。本ソフトウェアをドローンに搭載し、空中から道路をビデオ撮影することによって、低コストかつ自動での交通量計測が可能となる。
なお、ドローンは必ずしも特別な機種を利用する必要はない。一般的なドローンで本ソフトウェアを問題なく運用できるという。
従来、人力での交通量計測は、コストが高いわりに収集できる情報量が不足しており、定点カメラによる広域での計測ができない、設置コストが高いなどの課題があった。
ドローンを活用することにより、無人でなおかつ広域での計測が可能となる。さらにAIによる自動認識により、車や人の速度、走行軌道、車種ごとの交通量算出などさまざまなデータが取得可能となる。
今後はマーケティングへの利活用も
新しく開発した交通量計測用のソフトウェアによって、交通量調査で発生していた人件費を大幅に削減できる。また今まで実現できなかった広域での交通量調査が可能となる。
テラドローン株式会社では、次のステップとして、この技術を用いた人口流動のデータ取得やマーケティングでの利活用を実現するシステムを開発する予定という。ドローン関連の技術開発に遅れをとっている感のある日本において、これは1つの明るい兆しといってよいだろう。
なお本ソフトウェアに関しては、国内建設コンサルタント各社と共に、高速道路整備や交通量調査などでの応用を行っているとのことだ。
テラドローン株式会社では年内中でのリリースを目途として、本ソフトウェアをクラウドベースにて運用できるよう開発を進めているという。
また国内の検察コンサルト及び調査会社と協力し、本ソフトウェアの普及をすすめるとのことだ。ドローンの可能性を示す新しいサービスとして、国内での普及が期待される。
シンガポール警察では、ドローンを使ったパトロールを開始
海外では一足先にシンガポール警察が、2016年よりドローンを用いた交通整理・人混み監視などの試験運用を実施している。くわえて2017年末には、サーチライトや警報装置が搭載され、捜査・パトロールでの活用が可能な警察用ドローンも登場。救助・人質事件といったシーンでの応用も想定されているという。
ちなみにドローンではないが、シンガポールでは海のパトロールに関しても無人機の導入を検討しているという。違法入国者発見を主な目的とする、自立運行が可能な無人パトロールシップが2017年末に公開された。
欧米諸国ではさらにすすんだ警察ドローンが登場
アメリカ・イギリス・カナダなどでは、さらに進んだ警察でのドローン利用も進んでいる。たとえばカナダでは、ドローンを利用した交通事故処理がすでに行われている。これまで交通事故現場の現場検証や地図作成などは、1~2時間かかっていた。これがドローンを活用することによって、15分に短縮可能とのことだ。
またイギリスでは、行方不明者の捜索や裁判での証拠集めといったシーンで警察ドローンが活用されたと、BBCなどによって報じられている。警察人員が減る上に、警察予算の縮小が想定されている。そんな中、ヘリコプターと比べてコストがかからないドローンに対する需要は、今後ますます高まることだろう。
ゴールドマン・サックスでは、警察ドローン市場の規模はアメリカだけでも8億8,500万ドル(約1,000億円)にものぼると試算している。世界で、今後ドローンがどのように活用されていくのか目が離せない。
国内でのドローン開発・利活用に一石を投じるか
紹介したように、世界に目を向けるとすでにドローンがさまざまなシーンで活用されている。日本は、この競争に出遅れている感は否めない。
そんな中、テラドローン株式会社が開発した新しいソフトウェアは、欧米諸国の例にも負けないような、ドローンの高度な応用を可能とするだろう。このソフトウェアの登場が、国内のドローン開発に弾みをつけるきっかけになることを期待したい。
img:PR TIMES , YouTube Channel NewsAsia , DRONEFLY