AIの登場により、私達の生活はさらに便利になりつつある。しかし、まだまだAIはサービスとして使われ始めたばかりで企業への導入はまだ進み始めたばかりだ。
その中で金融業界が金融庁指導の下、業務生産性向上に向けてAIの性能実証試験を行った。
金融庁「FinTech実証実験ハブ」の試験結果を報告。
AIの進歩はインターネットが誕生した頃よりも、その活用方法や種類も多様化している。数年後には人間とAIが同じ職場で働く日も近づいてきている。
人工知能KIBITの開発元である株式会社FRONTEOは、金融庁による「FinTech実証実験ハブ」に選定された、金融業務における「人のみのチェック」と「KIBITを活用したチェック」の業務生産性の比較試験の結果を発表した。
この試験は、株式会社三菱UFJ銀行、株式会社りそな銀行、株式会社横浜銀行、SMBC日興証券株式会社が参加し、それぞれ銀行業務と証券業務の業務生産性がKIBITを活用した場合と、人のみでチェックを行った場合どちらが業務生産性が高いか確認するものである。
以前までの金融機関では、営業員によって発生する金融商品販売時の応対記録、電話から寄せられる顧客の様々な意見の記録を人のみでチェック・管理していた。人のみでチェックしている場合は、目的の記録にたどり着くまでに非常に時間がかかり非効率であり、その問題の解消手段の一つとして今回の試験がとり行われた。
今回の実証実験では、ランダムに正解があらわれる記録を人のみでチェックした場合と、KIBITがスコアリング(点数付け)し、優先順位が付けられた記録を人がチェックする場合での検出精度や生産性、作業の標準化率などを定量的に比較測定した。
この実験の概要、は以下の通り
【対象業務】
銀行:投資信託などの金融商品販売時の営業応接記録のチェック業務
証券:通話録音記録からのお客さまのご意見・お申し出のチェック業務
【実験内容】
応接記録や音声通話記録から決められた時間内で「正解=チェック業務で見つけるべき記録」を何件見つけ出せるか
試験結果はKIBITを活用して対象となる記録のチェックをした場合は、人のみでチェックを行った場合と比べて銀行で38%、証券では55%と半分の時間で作業が完了。正解数も人と同等以上という結果になりKIBITが業務生産性の向上に有効であることが証明された。
またKIBITは、決められた時間あたりのサンプルチェックでも正解件数は人の2倍、人のみで行った場合に起こる品質のバラツキもKIBITは時間あたりの正解検出件数にバラツキは少なかったため、どのスタッフが作業しても品質の差がなくなる標準化の効果がることが分かった。
AIの導入により改善・標準化される既存業務
金融業界に限らず消費者のニーズの多様化や商品の多様化により、今まで以上に丁寧かつ迅速な対応はどこの業界にも求められることだろう。このようなお客様本位の業務運営が求められている。
一方、社員の働き方改革の見直しや世界でのビジネスに展開していくための競争力を得るためにも、業務生産性向上も考慮する必要に迫れている。
この実証実験におけるKIBITの活用を元に様々な観点で再検証や精度の向上を行うことで、より業務の高度化、効率化、人手不足などの課題も同時に解決をすることができるだろう。AIにより長年の課題が解決され始めている。
img:PR TIMES