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「働き方改革」の浸透による働き手の意識の変化や新しい価値観を持ったミレニアル世代の台頭など、世の中の仕事や就職への考え方も大きく変貌しようとしている。なかでも就職や社会に出ることを控えた学生にとって、インターンシップというものはこれまで以上に重要なものになってきている。
株式会社学情は、2018年6月25日~6月30日の期間で、2019年卒学生向け就職情報サイト「あさがくナビ2019」登録会員を対象に就職活動に関するアンケートを行い、その情報をまとめた就職活動意識調査レポートにまとめた。
それによると、インターンシップ参加学生の62.7%がインターンシップに参加したことで、就職活動において有利になったと感じていることがわかった。
重要性増すインターン。学生の約7割が参加
まず、インターンシップに参加する学生は昨年より1.6ポイント増加し、68.8%という結果となった。参加時期については8月、次いで2月と回答している学生が多く、長期休暇を利用してインターンシップに参加する傾向にあるという。
またインターンシップ期間は半日以下のものから1カ月以上のものまであるが、67.6%の学生が「1日」と回答しており、長期インターンと比較し、気軽に参加しやすい「1日」のプログラムへの参加者が多いようだ。
長期休暇を利用するにもかかわらず、約7割近い学生が「1日」での参加を希望しているということは、それだけインターンシップが気軽に、より身近なものになってきたということだろうか。
次に、インターンシップに参加し良かった点は、「1日以下」・「短期(1週間以下)」のインターンシップに参加した学生の71.0%が「参加企業の業界・職種への理解が深まった」と回答している。また、「長期(2週間以上)」インターンシップに参加した学生の66.3%は「働くことへのイメージや意識が高まった」と回答している。
一括りにインターンシップと言えど、参加期間の長さによってもインターンシップで得られるものがそれぞれ違ってくることがうかがえるとしている。
ここでは、短期が「理解」、そして長期が「イメージ」となっている。短期では業界や職種についての理解を深める学生が多い一方、長期では準備に時間のかかる課題や、実務経験を通して企業についての理解を深める傾向にあるようだ。
そして、インターンシップに参加した学生の62.7%が、就職活動で有利になったことがあると感じたことがあることがわかった。中でも、「参加者限定の選考ルートへを案内された」が41.8%となり、前年同様最も高い割合だ。
また、84.3%がインターンシップの参加が就職活動に役に立った(大変役に立った+少し役に立った)と答えている。
このように、就職活動においてインターンシップがプラスに働いていると考える学生が多いことがわかった。企業側が実施するインターンシップ自体の内容も充実したものに変化しているのだろう。
また、「内定(内々定)企業で働きたいと具体的に思ったタイミングはいつか」という設問への回答は、「面接など選考を重ねていく中で徐々に」が32.0%と前年に続き最も多く、「セミナー・会社説明会に参加した時」が7.2ポイント増加の25.5%、「インターンシップに参加した時」が6.8ポイント増加の11.1%となった。
ネット上での情報収集だけではなく、セミナーやインターンシップへの参加など、企業との直接的なコミュニケーションによる情報収集をきっかけに、自ずと志望度も上がる学生の傾向がうかがえる。
たしかにネット上の情報収集だけではなく、実体験が必要だろう。実際に体験して、その企業で働いている人に接してこそ、その企業がわかるのだ。
インターン参加率92.0%に上る別調査も
ここで、インターン参加の実情などをみてみよう。
以前、AMPでも取り上げたが、2016年に文部科学省が設置した「インターンシップの推進等に関する調査研究協力者会議」によると、インターンシップ(単位認定を行うもので、特定の資格取得に関係しないもの)の実施大学数や参加学生数は、1997年以降増加傾向にあるという。
1997年には107校だった実施校数は2014年には566校に、実施率は18.3%から72.9%まで約5.3倍に拡大している。
また、2016年度は、学生の参加率は30.5%、企業などの実施率は55.6%、大学などの実施率は58.9%となっている。
また、NPO法人エンカレッジは、就職活動をする学生の状況を調査する目的で、2019年度に卒業予定の全国の大学生/大学院生を対象に実施したインターン意識調査によると、2019年卒業予定の学生のインターン参加率は実に92.0%に上ることがわかった。
さらに、ここでは、インターンへの参加基準のトップだったのが「プログラムが魅力的かどうか」ということがわかった。この結果から、ミレニアル世代である今の学生にとって、「働く」ということは、報酬や企業の知名度などではなく、自分にとって大切なものを優先するという傾向がみてとれる。
充実したインターンシップが求められるこれからの企業
今回の調査からは、インターンシップの存在はもはや無視できないものとなったことがわかる。調査からみるに、学生にとってとても有意義なものになっているというのは事実だろう。
ただ、気になるのは参加学生の多くが期間を「1日」と答えていることだ。たった「1日」でその企業が理解できるのだろうかと思ってしまうが、体験を重視するミレニアル世代ならではの感覚が表れているのかもしれない。
いずれにしても、インターンシップの存在がここまで上がった以上、実施する企業側にも、今の学生の気質や特徴を把握した上で、充実したインターンシップを実施することが求められる。
img:PR TIMES