食料廃棄問題を食品メーカー・工場のマッチングサービスで解決する「シェアシマ」

全世界で食品の大量廃棄が起こっていることはご存知だろうか。

輸入に頼りきっている日本では、食料廃棄は年間1,900万トンに及ぶと政府は発表している。

個人単位では意識次第で解決するように思えるが、組織となると衛生問題や消費期限などを考慮しなければならないため、廃棄問題は慢性化している。

食品メーカー・工場のためのマッチングサービスが登場

こういった問題を、食品原料の輸入・販売を手掛けるICS―net株式会社が、2018年内に公開予定の食品メーカー・工場のための「売りたい・買いたい」を実現するマッチングサービスによって解決しようとしている。

このサービスは、食品業界に長らく続く問題であった非効率な仕入れ後の大量廃棄、そして閉鎖的な情報公開を解消するためのものであり、利用者は食品取引を無駄なくweb上で完結することができる。

サービスの懸念点である安全性への配慮なども、登録時に同社による厳しい審査が行われるため安全が担保される。このサービスにより食品メーカーは、売りきりたロス部分を登録することで無駄をカットすることが可能であり、買いたい商品がある場合は安全に買うことが実現する。

リリースは2018年内と発表しており、春からは小ロット単位の売買など様々なニーズに対応するためにコンシェルジュサービスも展開することが決定している。

繊維ファッション業界のフリマサイト「スマセル」の魅力とは?3カ月で大手アパレルなど約250社登録

繊維業界でも在庫を減らしてより効率的な仕入れを提供している会社が存在している。それが、株式会社ウィファブリックが運営しているファッション業界のBtoBフリマサイト「SMASELL」である。

「廃棄のない循環社会の実現」をミッションに立ち上がったフリマサイトで、ファッション業界で避けられない機会損失防止のための大量の不動在庫を解消するために制作された。

以前までは時期が過ぎた商品は、破棄されるか二束三文の値段で販売されていたが、このサイトの登場により破棄される予定であった商品もバイヤーや問屋などに販売することが可能になった。出品者側も銀行を介して手軽に出品が可能なため、新規取引の場合は手数料などが発生することが多いがその心配も必要ない。

ファッション業界では年間170万トンの在庫が破棄されるそうだ。「SMASELL」の登場により、これらの在庫にかかるコストや時間、ひいては環境への課題が解消されようとしている。

また大手GMSからみると、「SMASELL」を活用するとA級品を格安で仕入れることが可能にもなる。また、出品者側も一括・小ロット販売の価格を自由に決めることができるため、価格に差を付けられ、在庫確認も後から可能なため良心的なものとなっている。

廃棄ゼロ社会に向けて

業界全体で問題視されてきた在庫の問題では、売れない商品は大量破棄の一途をたどる。コストも時間も大幅にロスするが、なかなかこの問題は正面から対応するということはなく、業界の負の遺産ともいえよう。

しかしこれらのサービスの登場により、問題は緩和され、廃棄のない社会に近づこうとしている。他業種でも似たような問題は起こり続けているため、今後もこのようなサービスは展開されていくだろう。

img:シェアシマ , SMASELL

モバイルバージョンを終了