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インターネットの進化によって、さまざまな分野で都心と地方との格差が取り除かれようとしている。それは、教育分野でも同じで、これまで大きかった都心と地方の教育格差をなくそうという動きが活発化している。
今回、アクシビジョン株式会社は、都心と地方の教育格差をなくすべく、東大生らを講師とした高校生向け逆転合格専門のオンライン予備校を開校した。
LINEも活用し東大生らがオンラインで指導
地方において質の高い個別予備校は、優秀な学生講師がいない地域が多く、開校が難しいのが現状だ。さらに、1校舎に受験のプロ講師を何人もつけると授業料が高くなりすぎてしまうという点も課題であり、昨今の塾業界は正社員の採用も困難になっているという問題もある。
同社は予備校部門では直営とフランチャイズで展開しており、システム部門では塾の先生が大学受験を行うための受験システム・アプリ「受験コンパス」を開発している教育IT企業だ。
「地域による教育格差をなくす」という想いのもと、地方でも高品質な戦略型の個別予備校を開校するために2016年1月から東大の隣に本部を置き、東大生を採用することで、WEBを通じて個別予備校を展開することが可能になった。
同社が目指したのは「自宅が予備校になる」というコンセプトのオンライン予備校だという。オンラインにもかかわらず、アクシブアカデミーの予備校に通っているのと同じサービスを実施できるよう、後述するようなさまざまな仕組みを導入した。
まず、一般のオンラインサービスは予備校の授業をオンラインで行うだけのものが多いが、アクシブオンラインは授業はもちろんのこと、自習室、質問対応、進路指導などすべてのサービスがオンラインで実施できるという。講師には東大生など難関大生を常駐させている。
また、アクシブオンラインはビデオチャットツールのZoomを活用し、仮想の自習室を構築。パソコン・タブレット・スマートフォンでその仮想自習室に入ると、多くの生徒が勉強しているところがみえ、アクシブオンラインの管理人もいる。このため、自宅でも予備校の自習室に通っているような感覚が持てるという。
さらに、自社で開発した学習管理アプリを活用して、生徒と講師が一緒に考えた1週間のスケジュールを入力し、毎日実施しているかを簡単に報告できるようにしている。また、毎日のLINEのやりとりで進捗管理をするプレミアムコースも実施している。
もっとも特徴的なのは、LINEにより24時間365日質問受付可能なことだ。LINEでわからない問題を写真や動画で送れば、順番に質問の回答を行なっていく仕組みだ。
約8割が首都圏と地方の教育格差を感じる
アクシビジョン株式会社が主張するように、都心と地方の教育格差は依然として存在する。
株式会社シンドバッド・インターナショナルが運営する「家庭教師メガスタディオンライン」は、全国の大学受験生(高校生)とその保護者を中心に「首都圏と地方の教育格差についての意識調査」を実施した。
その結果、83.6%が「都会と地方で格差を感じる」と回答したことが明らかになったという。
調査によると、まず、「首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)とそれ以外の地域で、教育環境(予備校・塾の充実度、講師のレベル、情報など)に差はあると思いますか?」という質問に対しては、実に8割以上が「差を感じる」と回答した。
このうち「かなり差がある(かなり不利)」が40.9%、「多少差を感じる(多少不利)」が42.7%と、相当割合の大学受験生とその親が「地方の受験生は不利」と感じている実態が明らかになった。
具体的にどういう点が不利かと思うかという質問に対しては、「講師のレベル」、「そもそも予備校や塾が少ない」「受験情報がない」などの回答が多く寄せられたという。
さらに、「地元の予備校・塾に不安はあるか?」という質問項目に対しては、約7割の高校生・保護者が「不安がある」と回答した。
内訳を細かくみると、「かなり不安がある」が19.3%、「多少不安がある」が49.7%という結果になった。地方の受験生の大多数が地元の予備校・塾に不安を抱えている実態が明らかになったのだ。
この状況をみると、アクシビジョンの取り組みはユーザーの課題感をしっかりと抽出し、解決しようとする試みであることがわかる。
地方の教育環境ハンデ克服へ
今回、アクシビジョン株式会社によると、オンライン予備校で逆転合格するために必要なことは、年間・月間・週間の学習計画を立て、その日にどの勉強をしなければならないかを明確にすることだという。
このようなコンセプトのもと、同社が人口の少なさが引き起こす教育環境の格差という地方のハンデをどう克服するか、今後の大学受験の形を時代にあった形で変化させていけるか注目したい。
img:@Press