日本では少子高齢化や人口の減少に伴う消費者数の減少により、日本企業の外需取り込みが活発になってきている。特に、経済発展が成長している東南アジア各国における越境Eコマースや現地EコマースなどのEコマース展開が拡大を続けるなか、日本と同じクリエイティブやUIでの運用であったとしても、東南アジア各国に通用するのかどうかが問題となっている。
その問題に対して、ある興味深い取り組みが行われた。言語のみが異なる同一デザインのプレゼント応募ページ、応募フォームを使用したプレゼントキャンペーンを日本、台湾、インドネシア、タイ、フィリピン、マレーシア、ベトナムの7カ国を対象に実施し、同一デザイン・同一インターフェースにおいて国による効果の違いを調査するというものだ。
CVRは5ヶ国が日本を上回る結果に
PCでは、日本のCVR(転換率)4.98%に対し、下回ったのはインドネシアのみで、他国のCVRは日本を大きく上回る結果となった。また日本と比べ、フィリピンとマレーシアでは記入エラーの発生が多く見受けられた。
またスマートフォンでも、日本のCVR1.45%に対して下回ったのはインドネシアのみで、他国のCVRは日本を上回る結果となった。各国ともPCのCVRと比べ、スマートフォンのCVRは大きく低下する傾向にあるが、インドネシアでは大きな差は見られなかった。
また、タイとフィリピンでは下げ幅が小さいく、スマートフォンでの記入エラーの発生は、台湾、インドネシア、マレーシアが日本よりも多い結果となった。
東南アジア各国の獲得効率は最大で1/1000
日本のCPA(顧客獲得単価)と比較して、各国のCPAは大幅に安く、獲得効率は非常に高い結果となった。フィリピンの獲得効率は抜きん出て高く、日本と比べ1/1000を切っており、もっとも獲得効率が低いインドネシアでも日本の1/10の獲得単価となった。
日本企業の外需取り込みの可能性
調査した各国とも、日本よりも獲得単価が安く済むこと今回の実験から明らかになった。また、インドネシア以外の東南アジア諸国では日本のクリエイティブやUIをそのまま活用できる可能性が高いが、インドネシアにおいては根本的な改善を考える必要があるといえるだろう。
img:Value Press