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Eコマースの急速な普及により、商品の運搬量や国内の世帯数の増加に伴う配達需要の高まりが、運送業界に人手不足や超過労働の問題をもたらしている。これらを改善するべくAIによる業務効率化だけではなく、ロッカー設置による物流の円滑化が進んでいる。
今回、ドン・キホーテがロッカーを使った物流の円滑化に乗り出した。株式会社ドンキホーテホールディングスは、既存店舗を活用した「宅配ロッカー」と「フリースペース」を提供する新サービスの試験運用を開始した。
ユーザー個人の有効な時間消費をサポート
ネット通販の拡大を主因として、国内の荷物取扱量が急増するとともに、近年の核家族化や単身世帯の増加による再配達の需要が高まり、物流における事業者と利用者を結ぶ最後の区間をめぐる各業者の争いである“ラストワンマイル”が社会問題となっている。
ドン・キホーテは店舗運営と商品施策に基づく独自のスペース創造により、「必要な物を、必要な時に買う」だけではなく、買い物自体を楽しむ「時間消費型店舗」というビジネスモデルを確立している。
今回、買い物の時間消費に加え、新たなスペース創造による「宅配ロッカー」を兼ね備えたシンプルな「フリースペース」の提供を開始し、社会問題への対応とユーザー個人の有効な時間消費をサポートする。
「宅配ロッカー」には、グローリー株式会社と株式会社セゾン情報システムズが提供するブロックチェーン技術を活用した宅配ロッカーシステムを導入している。
まずは、2018年7月9日(月)からの千葉県山武市の「MEGAドン・キホーテ ラパーク成東店」での試験運用を皮切りに、多店舗展開に向けた検討を開始する。
Amazonの宅配ボックス設置サービス「Hub」とは
冒頭でも述べたように、ECの普及による荷物量や再配達の増加によって、必要となる労働量が爆発的に増加している。配送料の値上げや人員の増加などの対策は進められているが、荷物量は増すばかりだ。
配送が抱えるこの大きな課題に、大荷主でもあるAmazonが挑んでいる。同社は物流インフラの構築から、エンドユーザーが抱える“受け取れない”という課題の解決まで一手に引き受けようとしているのだ。
Amazonは、タダで宅配ボックスを設置してくれる宅配ボックス設置サービス「Hub」を2017年7月にリリースした。
これは、Amazonにリクエストを出すと宅配ボックスを「無料」で「希望した場所」に設置してくれるというもの。
近しいものではAmazonが海外で展開する「Amazon Locker」や楽天の「楽天BOX」があるが、いずれも設置場所は事業者と設置場所の所有者間で決定される。さらに受け取れる商品も、Amazonや楽天で注文した商品のみと限られてしまう。
一方、Hubで設置される宅配ボックスは、Amazonの荷物以外を受け取る際にも利用できる上、設置場所は不動産や施設のオーナーが希望できる。2017年8月現在、申し込みは米国内で不動産や施設オーナーから受け付けているという。
ラストワンマイル競争が激化に一手をうつドンキの試み
今回のドン・キホーテのサービスの新しい点は、「宅配ロッカー」と「フリースペース」を融合したことだろう。つまり、ユーザーはドンキで「宅配ロッカー」から荷物を受けとり、さらに、「フリースペース」でくつろぎ、ユーザーに有効な時間を提供しようというものだ。
Eコマースのの急速な普及により、ラストワンマイルでの競争が激化している現在、ドン・キホーテの試みは、どう影響するだろうか。
img:PR TIMES