クレジットカードやスマホ決済などのキャッシュレス化は徐々に私たちのお金に対する考え方を変えてきた。

キャッシュレスになったことで、現金管理の煩わしさや決済の手間が解消され、お金はより快適なツールとなった。このようにフィンテックがもたらす影響は給与の支払い方法をも変えるかもしれない。

アンドディー株式会社は、働いたあとほぼすぐに報酬がもらえる報酬前受け求人マッチングサイト「SOKKIN」の事前登録を開始する。

働いたあとほぼすぐに報酬を受け取れるサービス

SOKKINは、働いたあとほぼすぐに報酬を受け取ることができる前受け可能な求人のマッチングサービス。ユーザーはSOKKINを通して求人募集に申し込むことで、月末などに定められた給料日を待たずに報酬を受け取ることができるという。

前払い手数料が0円なので、「急な出費で支払いが間に合わない」といったシーンにおいて、勤務先の給料前払い制度や消費者金融を利用するよりも負担なく現金を手に入れることができるのだ。

一方、企業はSOKKINを通して求人募集を出すことで、即日勤務を希望する求職者を獲得することができるため、柔軟な人材の確保が見込めるというもの。

SOKKINでは、企業からの求人募集の公開に先がけて、事前登録の受付を開始している。事前登録をしておくことで、募集が開始され次第すぐに募集に応募することができるまた、求人応募を掲載したい企業様の登録も受け付けているという。

給与の支払い概念を変えるサービスたち

給与の支払い概念を変えるサービスが登場している。株式会社ISAOがリリースしたインターナルペイメント&チェックインシステム「Mamoru Pay」は、飲食物の現金運用・出欠確認・勤怠や座席の存在確認など、社内の煩雑なものをスマートデバイス1つで解決するという。

Mamoru Payは、社員は事前にアプリをインストールしておけば、商品QRコードを読み取るだけでいつでも購入可能である。

経理側は管理ツールで簡単に給与天引きの準備が完了するため、面倒な小銭の準備や確認作業が不要になる。

また、現金運用だけでなく、オフィスの様々な運用管理も楽になるという。たとえば、オフィスコーヒーやオフィスグリコで利用可能になる。そしてQRコードを読み取るだけで、勤怠管理やセミナーの出欠管理もできるのだ。

また、福岡発のスタートアップドレミング(Doreming)は、労働者に賃金を前払いするシステム「Doreming Pay」を提供している。通常なら給料日にしか受け取れない賃金を、働いた分を上限に、好きなときに使うことができる。

その日までに働いた賃金の残高は、同社が雇用先に提供する勤怠管理システムによって、クラウドのデータベースに記録される。労働者はその残高を限度に、決済用のカードかスマートフォンのアプリを使って、加盟店で利用した分の代金をキャッシュレスで支払う。給料日までに使った金額は自動的に集計され、給与から天引きされて精算される仕組みだ。

Doreming Payは、労働者からも雇用先企業からも一切手数料を取らない。サービス提供の収益は加盟店が支払う決済手数料であり、クレジットカードやデビットカードと同じモデルである。これは、Doreming Payが現金を払い戻すのではなく、決済手段の提供をサービスの核としているからこそ成り立つモデルだと言える。

フィンテックによる金融革新は給与の支払い概念にも変化を

日本は「月給」、欧米は「週給」が給与の仕組みとして、通常の形だろう。このようなまとめて支払うという形の背景には、経理や企業の仕組みがあるだからだ。

しかし、フィンテックによる金融革新は給与の支払い概念にも変化をもたらそうとしている。即時払い、いわゆる「とっぱらい」とこれまでのまとめた給与制とどちらにメリットを感じるかは、その人次第だろうが、支払いの概念は確実に変化しようとしている。

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