ドローンで農産物の生育管理。葉色解析クラウドサービス「いろは」による農業のアップデート

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個人の空撮でドローンを利用するケースが増えている。しかし、利用できる場所などその規制が多いため、実際に見かけるシーンは少なく、普及しているとは言い難いレベルにある。

ただ、テクノロジーの発展に伴い、以前よりも電力消費の課題や飛行性能の面が改善されため、商業シーンでの利用は多くなって来ているのも事実だ。

今回は農業分野での新しいサービスが登場した。株式会社スカイマティクスは、ドローンによって撮影した画像を使った農業分野向けの葉色解析クラウドサービス「いろは」の提供を開始した。

ドローンにより撮影された画像の診断・管理を行う

クラウドサービス「いろは」は、葉色画像の診断・管理をインターネットを通じて簡単に行うことができるサービスだ。ドローンにより撮影された画像は「いろは」にアップロードされることで、圃場内の位置に合わせて自動的に配置、記録される。

また、クラウドサービス上に用意された生育診断機能を利用することで、作物の生育状況や病気や害虫、雑草といった農地の状況などを画像ごとに記録することができる。これにより、毎日の葉色の確認を容易にする。

低空からの撮影では雑草の発生状況はもちろん、その位置や種類、生育ステージを把握することが可能だ。

また、それらの画像を位置情報に基づいて配置することで「雑草マップ」を作成することもできる。この雑草マップと同社の農薬散布ドローン「はかせ」を連携することで、ピンポイントに除草剤を投下するコストパフォーマンスに優れた農薬散布を行うことも可能となる。

一方、高い高度からの撮影では広い面積を一枚の画像に収めることができ、葉色の色味ムラを確認することができるという。さらに、クラウドサービス内で利用できる「カラー診断」機能では葉色カラースケールに応じて作物の色味を数値化する生育マップを作成することができ、生育の度合いを数値化することにより追肥の指標としたり、圃場の状態の把握に役立てることが可能だ。

このサービスで使用可能なドローンは、同社が開発する「X-S1(高画質カメラを搭載した全天候型の自律飛行クアッドコプター)」のほか、画像に位置情報を付与する機能を有する市販ドローンにも対応している。このため、手持ちのドローンを使ってすぐに利用することができる。

利用方法は以下の通りである。

  1. 会員登録を行い、付与されたIDを用いて専用サイトへログイン
  2. 位置情報などの所定の情報を持った空撮画像データをアップロード
  3. 各種データの表示・確認・コメント入力などをWeb上で実施

時短・コスト削減を実現する屋内点検サービスも

ドローンを使った商用サービスや活用プロジェクトは、すでにいくつかスタートしている。たとえば、ブルーイノベーション株式会社の「Biインスペクター」は、ドローンを使った安全で時短・コスト削減を実現する屋内点検サービスだ。

同社は、屋内の点検分野においては、スイスのFlyability SAと業務提携し、屋内狭小空間での飛行に最適な性能を持つFlyability社の“Elios”製品による屋内点検分野での新たなソリューション・サービスについて検討してきた。

「Biインスペクター」の特徴は以下になる。

といった“Elios”の特性を活かして、機械設備の多い工場や設備内部・配管などのGPSの入らない特殊な環境においても、安全かつ安定した飛行で点検運用が可能なサービスだ。

これまでになかった「空からの視点」を作物管理に

これまで、農業分野でのドローンの活用と言えば、水や農薬の散布がほとんどだったが、今回のサービスのような活用法の分野も進化してきている。

「いろは」の特色は、自律飛行するドローンが効率的に農地の情報を取得するということだろう。これにより、従来見回りに要していた時間を短縮するとともに、これまでになかった「空からの視点」を作物管理に活かすという。そして、農地・作物の異常の早期発見や圃場の特徴・傾向などの情報を提供していく予定だ。

img: PR TIMES

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