AIが救うEコマースを支える運送業界。ルーティン業務の効率化・自動化は何をもたらすのか

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Amazonや楽天などのEコマースはWeb内で買い物が完結できるため、老若男女問わず利用されている。品揃えの豊富さや指定日配達など有益なサービスが揃っており、ユーザーの利用頻度はますます高くなるだろう。

しかしこのようにEコマースが普及した一方で、運送業界では人手不足や労働時間の長時間化などが課題となっており、さらなる経営効率化が求められている。

このような背景の中、株式会社ドコマップジャパン、富士運輸株式会社、株式会社NTTドコモは、ドコモの「AIインフォテイメントサービス®」とRPA(ロボットによる業務自動化)サービス「WinActor®」を活用し、運送業界で生じている一連のルーティン業務を効率化・自動化する実証実験を実施する。

日報作成時間の約80%削減を目指す

冒頭でも述べたが、現在、運送業界では人手不足や労働時間の長時間化などが課題となっており、業界全体としてさらなる経営効率化が必要な状況だ。ドコマップジャパンはこの解決に向けて、ドライバー、事務員の業務を効率化する運送業向け音声エージェントサービスを開発するにあたり、ドコモの「AIインフォテイメントサービス」および「WinActor®」を採用した。

このサービスにより、ドライバーは、運転中に音声エージェントの問いかけに答えるだけで、日々の日報作成や業務の記録ができるようになるという。作成された日報データは、クラウド上に自動でアップロードされるため、事業所に帰着した後、業務内容を思い出して日報を作成、修正するといった業務が不要となる。これにより、ドライバーの日報作成にかかる稼働時間を約80%削減することを目指す。

また、これまで事務員は、ドライバーが手書きで作成した日報と、事前に配送先や荷物の情報を定めた運行計画書の内容が一致しているかどうか、その都度目視で確認していたが、「WinActor®」の活用により、クラウド上の日報データと運行計画書の内容を自動で照合し、請求データ確定までの業務を自動化することが可能になる。これにより、事務員の事務処理にかかる稼働時間を約50%削減することを目指す。

これまで3社は、「空車回送の削減」をめざし、運送業に特化した車両位置情報管理システム「DoCoMAP®」を 活用し、空きトラックと配送ニーズをマッチングするためのプラットフォーム「docomapJAPAN」を2017年11月から提供している。

今後は「DoCoMAP®」、「AIインフォテイメントサービス」および「WinActor®」を組み合わせることで、運送業向け働き方改革ソリューションの提供を目指す方針だ。

実証実験の目的は以下の通りである。

実施期間(予定)は、2018年7月3日(火)~2018年12月21日(金)。

各社の主な役割は以下の通り。

AIによって物流そのものを効率化するサービスも

今回の実証実験は、運送業界の業務の効率化を目指したものだが、AIによって物流そのものを効率化するというプラットフォームサービスがすでにあることをご存じだろうか。

スタークス株式会社が提供している発送代行サービス「クラウドロジ」は、事前に需要を予測し、倉庫の拠点を分散させることによって、配送コストを抑えたり、長距離ドライバーの負荷を軽減したり、正確なシフト管理を組むことができるクラウド型の物流プラットフォームサービスだ。

まず、同社2015年より通販企業の商品の管理・伝票発行・梱包作業など、発送業務を一括で代行する「リピロジ」というサービスを、化粧品や健康食品、食品など単品リピート通販企業を中心に450社以上に提供してきた。

そして、この「リピロジ」を、AIによる需要予測データの蓄積により、全国に14拠点ある提携倉庫に在庫を分散させ、最適な拠点から配送することが可能とし、物流倉庫そのものをクラウド化し、新たにサービス提供をはじめたのが「クラウドロジ」だ。

具体的には、AIによる需要予測に基づき、全国に拠点を分散させた倉庫に荷物を在庫させる。そこから荷物を出荷することによって長距離輸送を減らすことができ、少ない人員でも効率的に配送することが可能になるというわけだ。

AIによる運送会社の経営効率化

AIの進化はとどまるところを知らない。AIはこれまでさまざま業界に、イノベーションを巻き起こしてきた。今回の実証実験も成功すれば、運送業界に大きなインパクトを与えるだろう。

ドライバーや事務員の業務が大幅に効率化され、結果的に経営の効率化につながるという今回の実証実験がどのような結果になるのか、興味深く見守りたい。

img:PR Wire , クラウドロジ

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