日本ではまだ一般的でないものの、「eSports」は21世紀特有のスポーツを象徴するといっても過言ではない。

プロライセンスの発行や五輪公認の大会が開かれるなど、昨今は世界的な注目を集めている。

プロとして活躍できる場が設けられたことによって、今後の成長が期待され、YouTuberのように日本国内でもeSportsプレイヤーを目指す人も増えると想定される。

株式会社GamerCoach、eSportsのコーチとプレイヤーを繋げる新サービス「GamerCoach」をリリース

株式会社GamerCoachは、eSportsのゲームコーチとコーチを探しているプレイヤーをつなげるためのプラットフォーム「GamerCoach」を2018年7月1日にリリースした。

GamerCoachではこのプラットフォームによって、日本ではまだ一般に認知されていない、eSportsのゲームコーチングという文化の普及を目指している。

GamerCoachの具体的な役割は以下の4つ。

  • プレイヤーとコーチのマッチング
  • コーチングスケジュールの調整
  • プレイヤーによるコーチの評価を集めることにより、コーチの信頼性を確保
  • コーチングで発生する代金の決済代行

コーチングの方法としては、DiscordもしくはSkypeの利用を想定している。これらのソフトの画面共有機能を用い、プレイヤーにプレーの様子を見せたり、プレー動画を一緒に鑑賞しながらコーチングを実施したりする。

なおGamerCoachでは、現在公式サイトにてコーチを募集しているので興味のある方はチェックするとよいだろう。

適切なコーチを探せないプレイヤーの問題を解決

プレイヤーが、eSportsと呼ばれるインターネットを用いた対人ゲームで上達するのは容易ではない。攻略サイトや上位プレイヤーの配信といったかたちで上達に必要なコンテンツが用意されているものの、これらはある程度のレベル向けであり、駆け出しのプレイヤーに最適化されていない。

またコーチを依頼しようにも、どこをどう探せばよいのかわからないというのが現状だ。ゲームの種類によってはコーチできる人が皆無だったり、仮にコーチが見つかっても信用できるかわらかなかったりなどの問題もある。

そこでGamerCoachは、多くのコーチに登録してもらい、プレイヤーがコーチをえらびやすい環境を用意する。高いスキルを備えたコーチによって指導してもらう機会を提供することで、上達が難しいeSportsにおけるプレイヤースキル向上のソリューションになるだろう。

プロゲーマーがコーチとして生計を立てる機会の提供

日本ではプロゲーマーがまだ一般的ではなく、ゲームの収入のみで生活しているプレイヤーはまだまだ少ないのが現状だ。

ほとんどのプレイヤーが、所属するプロチームから報酬をもらっていないか、仮にもらっていても月に数万円程度だ。結果、プロゲーマーはあくまで副業であり、本業を別に持っており、ゲームに触れる時間を確保し辛い状況にある。

GamerCoachでは高いスキルを持ったプロゲーマーが、コーチとして収入を得る環境を整備することを目指している。ダイエットやさまざまなスポーツのパーソナルトレーナー同様に、ゲームコーチングの専門トレーナーが一般化することが期待される。

2018年のeSportsの世界市場規模は9億ドル以上に?

日本ではeSportsの市場は成長しているとはいいがたい。しかし世界的にみれば、その興隆には目を見張るものがある。

eSports市場の調査を行うオランダのNewzooでは、今年の2月21日、2018年のeSportsの世界市場が9億5,660万ドル(前年比38%増)になるとの予測を発表した。さらに2020年には14億ドル、2021年には16.5億ドルまで成長すると想定されるとのこと。

またeSportsの競技者・観戦者・視聴者の合計は2017年に世界で3.8億人に達しており、2020年には、メジャースポーツと肩を並べる5億人を突破すると予測されている。

ちなみにNewzooの調査によると、世界に対する日本のeSports人口は390万人とのことで、出遅れている感は否めない。ただ2018年1月には「日本eスポーツ連合(JeSU)」が設立され、同連合が日本オリンピック委員会への加盟を目指すなど、市場拡大の動きが広がりつつある。

GamerCoachは日本のeSports市場発展の突破口になるか

eSports市場が興隆する世界と比較して、まだ「ゲームは単なる遊び」という雰囲気がある日本国内ではeSportの市場が十分に発展しているとはいいがたい。

また初心者がeSportsのスキルを磨いたり、プロゲーマーを目指してたりする環境も十分に整備されていないだろう。さらにプロとして生計を立てられない現状では、既存のプロゲーマーたちのさらなる活躍も望みにくい。

GamerCoachでは、コーチをえて上達したいプレイヤーと、コーチとして収入をえたいプロゲーマーを繋げるツールとして重宝されることになるだろう。日本のeSports文化の発展、eSports市場市場の拡大に、このプラットフォームが寄与していくかもしれない。

img: PR TIMES