シェアリングサービスを利用することが当たり前になりつつあるミレニアル世代など、モノの価値は所有から共有へと変化してきている。しかし、Eコマース市場の拡大によってモノを購入することへのハードルは下がっているため、所有するモノが増え、収納するスペースに困った経験をしている人も多いだろう。
クラウド型収納プラットフォームを提供する株式会社トランクは、長谷工グループのリサイクル・リユースショップを展開している株式会社カシコシュと業務提携し、長谷工グループが管理するマンションへ、トランクのクラウド型収納サービス『trunk(トランク)』の提供を開始した。
アプリ上で集荷や管理、取り出しなどが行えるクラウド型収納サービス
トランクが提供する『trunk』は、収納に困っていたものや、捨てられない思い出の品などをダンボールに詰め、アプリ上で集荷や管理、取り出しなどが行えるクラウド型収納サービス。『trunk』へ預けたものは、湿度や温度の管理が徹底された倉庫で保管され、1点ずつ高解像度で撮影後、アプリ上でいつでも確認をすることができる。
また、取り出す際もアプリ上の操作のみでいつでも行うことができ、さらには別のユーザーへアイテムを売ったり、譲ったりすることも可能だ。
トランクでは、モノが大量に捨てられている時代に、クラウド型収納サービスによってまだまだ使えるものを明らかにし、収納に対するユーザーのストレスを軽減するとともに、「簡便性」や「楽しさ」を提案してきた。今回の業務提携により、同サービスの周知を図るとともに、長谷工グループが管理するマンション入居者の暮らしに役立つサービスの一つとして展開していく。
カシコシュではトランクとの連携により、マンションに関わる個人・法人の収納に関する困りごと、大規模修繕時の一時預入(個人、管理組合)、管理組合季節備品の一時預入、リフォーム時の一時預入、モデルルーム備品の一時預入などにも拡大し、各種改善と新しい生活スタイルの提案を進めていく方針だ。
BtoCカンタン宅配収納サービス『trunk(トランク)』の概要
押入れや下駄箱で眠っている普段使っていないモノをダンボールに詰めて送るだけ。アプリからワンタッチで集荷依頼ができ、また収納したモノは一点一点写真で管理する。
写真の一覧で何を預けているかすぐに分かる。預けたモノを取り出すだけでなく、収納したまま売ったりプレゼントすることも可能。
BtoBサービス『TRUNK X(トランク エックス)』の概要
事業者向けクラウド型物流システム。荷物の出し入れ、配送、保管その全てをクラウド上で完結させることができる。また、荷物は温度、湿度などが管理された最新の物流システムで安心安全に保管される。
クラウド管理のため倉庫に足を運ぶ手間も時間も必要ない。倉庫から指定先に送る配送業務もワンストップで行うことができる。
預けたものでシェアリングエコノミーするサービスも
今回のように、収納だけではなく、預けたものでシェアリングエコノミーができるサービスもある。
米国の倉庫に格納しており使っていない私物を、必要な人に貸し出すことができるサービス「Omni(オムニ)」は、一言で説明すれば、「レンタル倉庫サービス」といえる。しばらく使わないであろう荷物を段ボールに収納し、倉庫に預けることができるのだ。
Omniの特徴は、倉庫に格納した私物を、他人に有料でシェアすることができる点にある。部屋に置けない私物を倉庫に格納しておくだけで、お小遣いが稼げてしまう、一挙両得なサービスといえる。
また、日本にも寺田倉庫が提供する「minikura」シリーズ、ヤフオクへの出品も可能な「Summally Pocket(サマリーポケット)」、アウトドア用品専門の「hinata trunk!」、企業向けに倉庫を斡旋する「souco(ソウコ)」などの類似サービスがある。
楽しさや付加価値がユーザーを獲得
「収納」というものはとかくストレスになりがちなものである。トランクでは、そのストレスを軽減し、「簡便性」や「楽しさ」を手案することを提案してきたという。
これからのシェアリングサービスには、単に「共有」を提供するだけではなく、今回のような収納物の売買ができるといった付加価値が必要となってくるかもしれない。