個人情報の不正流用が取りざたされたFacebookだが、いまだ突出したアクティブユーザー数を誇っている。
ユーザーは実名性の登録が原則であるため、ビジネスプラットフォームとしての役割も果たすFacebook。なかでも特にSNSを利用する傾向にある女性ユーザー(日本/海外ともに)の生態はどんなものなのだろうか。
海外デジタルマーケティングの支援を行う株式会社インフォキュービック・ジャパンは、Facebookに関する質問を日本、海外20~50代の女性約500人を対象にアンケート調査を実施した。その結果、Facebookに登録している最大の理由は「友達・家族との会話」だったという。
友人や家族とのコミュニケーションが主目的
この調査は、2018年5月14日から2018年5月17日の期間に実施したもの。日本、中国、台湾、韓国、インドネシア、フィリピン、イギリス、アメリカ、スウェーデン、イタリアと、多国籍のスタッフが在籍するインフォキュービック・ジャパンが「Facebook女子の実態」を調査し、Facebook女子のリアルな「動向」を浮き彫りにすることで、Facebookを活用した「ビジネスへのヒント」を探った。
まず、Facebookを登録している理由について調査したところ、国内上位から、友達との会話が66.3%、家族との会話が14.7%だった。
海外上位は、友達との会話が30.6%、情報収集が30.1%、家族との会話が15.7%という結果になった。
圧倒的に、友人や家族とのコミュニケーションツールとしての側面が垣間見えた。しかし、逆にあまりビジネスでは活用されていないようだ。
次に、自分が投稿した「いいね」、「シェア」、「コメント」の数へのこだわりを聞いたところ、とても気になると答えた人は国内で12.9%、海外で18.1%だった。少し気になると答えたのは、国内で36.8%、海外で47.1%だった。
ほとんどならないと答えたのは、国内で16.6%、海外で26.3%、全く気にならないと答えたのは、国内で33.7%、海外が8.4%だった。
全く気にならないと答えた数の差が国内と海外とでは約4倍以上の開きがあり、国内の方が全く気にならないという結果になった。
国内で、「いいね!」をしている注目すべき内容は、面白い写真、美しい写真を上げている点だ。二つを合わせると国内が32.3%、海外が26.5%だった。
また、国内のよく「いいね!」しているコンテンツ1位は、友達の近況報告が20.9%だった。
国内は友達との会話が登録理由1位なだけに、当然の結果だと言える。一方、海外は、総じて平均的にまんべんなく分散しており、さまざまな活用法を楽しんでいるようだ。
また、「いいね!」の数をあまり気にしない分、自分たちもそれぞれが「いいね!」を押しているようだとしている。
国内に関して、おもしろい、美しい写真関連の注目度が段違いに高く支持されており、ビジュアルを意識したコンテンツは一つのキーワードになりそうだという。今後はInstagramのユーザー動向も注目されるという。
最後に、Facebookを見ての商品やサービスの購入経験を聞いたところ、国内は「いいえ」が90.8%、「はい」が9.2%、海外は「いいえ」が26.1%、「はい」が73.9%となった。
その商品やサービスは、化粧品、美容グッズ、洋服、下着などの衣料品、日用品全般、Airチケットなど、普段、女性が買い物をするものとほとんど一緒だった。
この調査は、国内、海外と調査結果がはっきりと分かれた。Facebookを活用したデジタルマーケティングは国内よりも海外の方が向いているようだと分析している。
「ミレニアル世代」の消費行動のカギを握るSNS
今回の調査では、現状では少なくとも女性に関してはFacebookはビジネスに活用できそうもないことがわかった。では、ミレニアル世代としてみるとどうだろうか。
この世代は、10代の多感な時期から、インターネット・スマホ・SNSを利用し、デジタルに当たり前のように親しむ「デジタルネイティブ」であることが特徴だ。この点において、40代より上の層とは、ライフスタイルや考え方に隔たりがあるといわれている。
では、「ミレニアル世代」の消費行動のカギは何なのか。株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメントが日本・中国・アメリカ・ドイツを対象に実施した調査によると、「SNSで話題になったモノをよく買う」ことが多いことが判明している。
また4カ国共に、女性よりも男性において「SNSで話題になったモノをよく買う」割合が高いという。
さらに、ミレニアル世代ではSNS上に購入した商品の感想をアップし、それを誰かが参考にして欲しいモノを選ぶ、というサイクルが存在するようだ。
SNSによる消費文化は拡大傾向に
このように、これからの未来を担うミレニアル世代は、SNSを介した消費行動への障壁はかなり薄く、この先FacebookをはじめとしたSNSによる消費文化はさらなる拡大傾向にあるだろう。
これは、国内女性についても変わらず、いずれは商品購入について「はい」と「いいえ」の割合が逆転するだろう。これからのビジネスの成功には、SNSが創り出す新しい消費社会への適応が、不可欠なものになっていくといっても過言ではない。
img: Dreamnews