クラウドソーシングやビジネスマッチングサービスなどの個人向け副業サービスが増加するに伴い、副業への選択肢は広がり、その機会創出に寄与している。
副業に対する意識の高まりはもちろんある中で、実際に行われている副業の種類や動機にはどんな違いがあるのだろうか。
株式会社インテージリサーチが実施した自主企画調査「副業に関する意識調査」によると、性・年代により、実際に行っている副業の内容が異なる傾向にあることが明らかになったという。
今回はこの調査結果をもとに、男女別、年代別の副業への意識をご紹介する。
副業収入ありは約1割。男性は投資、女性はクリエイティブ系に関心が
まず、「副業や副収入を得ることを意識した活動」の実施状況を聞いたところ、10.7%の人が副業により副収入を得ていると回答した。その内訳は、「ある程度決まった額の副収入が得られる副業をしている」が4.1%、「収入は安定していないが、副収入が得られる副業をしている」が6.6%だった。
また、「副収入は得ていないが、副業を意識した活動をしている」人は3.3%、「副業は行っていないが、今後何かしてみたいと思っている」人は30.5%だった。合計33.8%が、「副業や副収入を得ることを意識した活動」に関心を持っている層だといえるという。
ここでは、副業で約1割がすでに副収入を得ていることがわかった。そして、この割合は今後増加していくであろうこともわかる。
次に、現在行っている活動、今後行ってみたい活動を聞いた。その結果、男性の全年代で「株式や金融商品、仮想通貨等に投資」が10%を超え、特に30~49歳では12.9%と高くなった。
一方、女性は全年代で「アンケートモニターやポイントサイト、レビューへの参加」「ハンドメイド商品などを作ること」が高くなっている。これらの副業は、幅広い年代の人が取り組むことができる活動だと言えそうだとしている。
「今後してみたい副業」にも男女で傾向の差が見られた。男性の20~39歳では「株式や金融商品、仮想通貨等に投資」が2割を超え、特に高くなっている。さらに男性ならではの傾向として、50歳以上の年代で高くなっている「人に何かを教えたり、コンサルティングすること」が挙げられ、経験やスキルを生かす活動への関心の高さが明らかになった。
女性は全年代で、「アンケートモニターやポイントサイト、レビューへの参加」が最も高くなった。そのほかの特徴として、10・20歳代で高い「記事を書くこと」がある。「ハンドメイド商品などを作ること」も含め、女性は創作的な活動への関心がうかがえる。
ここでは、性・年代により、実際に行っている副業の内容が異なる傾向にあることが明らかになった。また、男性は投資、女性はクリエイティブ系に関心があることがわかった。
大企業勤務者も経済的不安大きく、副業への意識が高い
そして、副業を行う理由を聞いた。その結果、副業や副収入を得る活動を行う理由や、関心がある理由として、最も多く挙げられたのは「主業の収入だけでは物足りないため」の42.1%だった。
性別別に見ると、男性は「将来的に収入を得られるようなスキルを得たり、本業として取り組みたいため」「ニュース等を見てビジネスチャンスがありそうだと思ったため」が女性よりも高く、「ビジネスや副収入として」意識した上で行う傾向がより強くなっているのに対し、女性は「気軽に行えること」が動機となっているようだ。
そして、特徴的なのは「将来の生活費等が不安なため」という回答が、「主業の収入だけでは物足りないため」に次いで高くなっていることだ。この回答は従業員数1,000人以上の企業に勤める人で46.6%とより高い傾向にある。
このように、大企業に勤める人であっても、将来の生活費などの経済的な不安を感じており、副業や副収入を得る活動を行う動機の一つとなっていることがうかがえる。
いよいよ始まった「副業」が当たり前の社会
今回の調査では、かなりの人が副業を意識していることがわかった。そして、副業の内容は年代・性別によって異なることもわかった。また、すでに副業で収入を得ている人が1割もおり、いよいよ副業時代が始まったといえる。
ここで注目されるのは、大企業の勤務者でも経済的に不安を感じているということだ。そして、その不安が副業への関心へと向いている。終身雇用制度が崩壊しつつある今、よりよい副業へのマッチングや、副業が認められる社会が必要なのかもしれない。
img:PR TIMES