教育機関への導入を目指す「Aidemy Team for School」。若手AI人材の育成をオンラインプログラミング教育で実現

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AIや分散型ネットワークの急速な発展により、エンジニアの需要が高まってきている。IT先進国では幼少期からのプログラミング教育に力をいれており、世界中のテクノロジーを牽引している現状がある。日本国内でもプログラミング教育の重要性が増している中、最大級のAI人材プラットフォーム「Aidemy」がこの現状を変えようとしている。

「Aidemy」を提供する株式会社アイデミーは、大学・学習塾・高校向けにAI教育プラグラム「Aidemy Team for School」の提供を開始した。

Aidemy Team for Schoolは、1万人以上のユーザーに100万回以上演習されているオリジナル教材「Aidemy」を用いたAIプログラミング授業を教育機関に提供するほか、導入先の環境に応じて就職支援を行う。

また、オンライン授業だけでなくオフライン授業として、将棋AI Ponanza開発者の山本一成氏らによる出張授業などを予定している。

会員登録ユーザー数1万人以上のAidemy


Aidemy は正式公開から3カ月で会員登録ユーザー数1万人以上、コード実行回数100万回以上を記録した、日本最大級の先端技術のラーニングサービスだ。

教育機関向けの取り組みとしては、早稲田大学理工学博士プログラムでAidemyを用いたAIの実践授業を実施したほか、東京大学・京都大学・東京工業大学などの研究室でも利用されている。

特徴は、

  1. 10秒で演習開始 – PCへの環境構築は不要で、インターネットブラウザ上でプログラミングができる。
  2. 今話題の技術を習得可能 – ディープラーニングや自然言語処理など、いま話題の技術を習得できる。
  3. 無料から始められる – 一部の講座は完全無料にて受講できる。


 

また、Aidemyの教材の特徴は

  1. 業界トップシェア技術を採用 – Python/numpy/pandas/scikit-learn/tensorflowなどの技術が学べる。
  2. 理論より実践重視 – 難しい数学の知識や理論もできるだけ直感的に理解できるような教材である。
  3. 自動採点システム – 書いたプログラムは仮想環境上で自動的に採点される。

山本一成氏など豪華講師陣による出張授業

Aidemyは、現在、登録ユーザーの約7割が社会人、その内約7割が理系出身者だ。しかし、AIやブロックチェーンなど先端テクノロジーの需要が高まる中、小中高の教育項目にもプログラミング科目が導入・検討されるなど、10代、20代の学生に対するプログラミング授業が重要視されている。

あわせて大手IT企業では、新卒学生を能力に応じて即戦力として採用する枠組みも生まれており、とりわけ人材不足であるAIなどの先端テクノロジー分野は若手が活躍しやすい環境にある。

そこで、Aidemyでは、より活躍できる若手AI人材の育成に取り組むべく、教育機関がAidemyの教材を導入しやすいパッケージ「Aidemy for School」として提供することになった。

Aidemy for Schoolでは、導入した教育機関向けに、豪華講師陣による出張授業を実施する。出張授業の講師は、将棋ソフトPonanzaの作成者としても知られる山本一成氏などを予定している。他にも、要望に応じて経験豊かな講師を派遣し、生徒の学習意欲向上に貢献するという。

山本一成氏は、棋ソフトPonanzaの作成者で、現在はHEROZ株式会社リードエンジニア。愛知学院大学特任准教授、東京大学先端科学技術研究センター客員研究員。著書に「人工知能はどのようにして名人を超えたのか?」がある。

また、希望に応じて、成績優秀者には同社のネットワークを活かした就職支援や転職支援を行う。

さらに、Aidemy Team for Businessは通常1年以上の契約を前提としているが、Aidemy Team for Schoolは教育機関の授業タームに合わせ、春学期のみ4カ月間の契約や、冬季講習として1カ月のみなどの契約も可能である。

価格は、1ユーザーにつき5,000円/月。

東京・小金井市が行っているICT教育とは

日本では、2020年にはプログラミング教育を必修化するといわれているが、教育現場の現状を見ると、一昔前に比べてIT化されてきているとはいえ、ITを使用した教育方法というものはまだまだ未発達な状況なのはいうまでもない。

文部科学省が2017年に行なった「学校におけるICT環境整備の在り方に関する有識者会議(第5回)」によると、「教育用コンピュータ1台当たり児童生徒数3.6人/台」という目標に対して、平均するとまだ5.3人/台程度という結果となっている。

そこで、東京都小金井市教育委員会、NTTコミュニケーションズ株式会社、凸版印刷株式会社、株式会社コードタクト、NPO法人eboardの5者は、総務省が推進する「教育クラウド・プラットフォーム」を学校で円滑に活用するための「次世代学校ICT環境」のあり方を整理することを目的として、総務省の「次世代学校ICT環境」の整備に向けた実証に参画し、クラウドや低価格タブレットを活用した授業を開始した。

今回の検証の目的としては、総務省が推進する「教育クラウド・プラットフォーム」を学校で円滑に活用するための「次世代学校ICT環境」のあり方を整理することにある。

「教育クラウド・プラットフォーム」とは、低コスト導入・運用可能なクラウド技術を活用したプラットフォームであり、生徒・教員などが多種多様なデジタル教材やツールをいつでもどこでも利用できることとしている。

小金井市が参画する理由としては、小金井市が「ICTを活用して子供たちの個性と創造力を伸ばす教育を実現し、国際社会に生きる日本人を育成する教育」を推進しているということが背景にあるようだ。小金井市以外の4社はこの検証を通して「コスト軽減モデル」について取り組む。その結果として、得られたノウハウを小金井市の全小中学校へと展開する予定だ。

またこの検証では、先のコスト「軽減モデル」だけでなく、「ネットワーク円滑化モデル」、「先端技術(EdTech)活用モデル」という3つのモデルによって行われるという。

学校教育におけるICT環境の整備コストの65%は、児童生徒に配布するタブレットなどの情報端末の整備、校内に設置しているデジタル教材用サーバーの保守・運用コストだとされており、これにあてられる予算は自治体から捻出されるもののため、そのコストが自治体に大きな負担をかけてしまう。またメンテナンスや運用していくことを考えると、教員に対して、今までになかった負担がかかる。

この状況から、このモデルは「クラウドサービスの活用による校内サーバーレス化」と「日本初となる低価格タブレットの全校導入と再利用端末の活用」を実施するとしている。

凸版印刷株式会社、株式会社コードタクト、NPO法人eboardの3社はそれぞれデジタル教材を提供している。

IT人材不足という社会課題を変えることができるか

経済産業省によると、マクロな規模でのIT人材(IT企業及びユーザ企業情報システム部門に所属する人材)は、2016年の人材数は約90万人、不足数は約17万人と推計している。そして、今後2019年をピークに人材供給は減少傾向となり、より一層不足数が拡大するという。

このように、IT人材不足が社会課題となっているが、はたしてAidemy Team for Schoolはこの現状を変えることができるだろうか。期待したい。

img: PR TIMES

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