トークンエコノミーで政治をエンターテインする。「ポリポリ」は政治を評価経済でイノベートできるか

SNSの発達によって、1億総ジャーナリストといってもいいほど、私たちはどんな時でも情報を発信することができるようになっている。なかでも、SNSの手軽さからさまざまなところで議論が起こるようにもなった。

しかし、政治のようなさまざまな意見が対立する話題においては誹謗中傷などが目立ち、質の高い政治に対する議論やコミュニティを保つのは困難なことが多い。

このような背景の中、株式会社PoliPoliは同社が運営している、政治家と有権者双方のニーズを満たすためのプラットフォームプロジェクトサービスの「ポリポリ」強化のため、エンジェル投資家の西川潔氏をリード投資家として、鶴田浩之氏およびF Venturesを引受先とし、第三者割当増資により資金調達を実施した。

政治にイノベーションを起こすことが目的

「ポリポリ」は政治というイノベーションが遅れている分野を「エンターテイン」することで、イノベーションを起こすことを目的とし、トークンエコノミーを用いて経済圏を作り出すことで、政治家と有権者双方のニーズを満たすプラットフォームプロジェクトだ。

例えば、ユーザーが良い発言をすればポリポリの独自トークン「Polin」を貰えるようになる。これにより、トークンというインセンティブを与え、質の高い発言をするようにし、誹謗中傷などが多く荒れやすい政治コミュニティサービスの質を高めることができるとしている。

このように、質の高い政治コミュニティによって、政治家と市民が発言しやすいプラットフォームを形成するのが目的だ。

同社はPolinをポリポリ内および、提携サービス内において無料で配布していく予定だ。Polinは、ポリポリ内および提携サービス内でのみ使用可能である。

同社が解決したい主な課題は以下の3つである。

  1. 政治家の情報発信が大変
    現在、昔ながらの演説などに加えて、SNSやホームページ、ブログなどのツールが出てきた。しかし、政治家のリテラシーが上がらないという理由もあり、全てを活用できる時間が政治家にはないという。
  2. 政治家についての情報不足
    前述した政治家の情報発信があまりできていないという理由もあり、ネット世代にとって特に選挙前など、政治家が何をしているのかがわからない。ポリポリは、SNSへの一括投稿機能などを設けるなどして政治家の情報発信プラットフォームとして機能する。
  3. 政治コミュニティサービスの荒れ
    政治コミュニティサービスは政治という特性から、誹謗中傷などが多く荒れやすいという課題がある。ポリポリはトークンエコノミーという新しい概念を用いて評価経済モデルを導入することで、質の高い政治コミュニティを形成する。

今後は、ポリポリを中心にブロックチェーン関連の事業に展開していく。まず6月にトークンなどを全く絡ませないベータ版をリリース。次に、9~12月の間に、事前にトークンを無料で配布する。そして、12月にポリポリサービス内でこのトークンを実装した完成版をリリースする予定だ。

またコミュニティ形成のためにも継続的にイベントを開催して、ビジョンに共鳴してくれる人を『ポリポリアンバサダー』とし、グループを形成していくという。

「評価経済」をもとにした新しいサービスの数々

「ポリポリ」のようなユーザーがサービスや店舗、個人に対して与える評価が、そのまま価値となる考え方を「評価経済」という。

この「評価経済」という考え方のもと、さまざまなサービスが登場している。

株式会社ひらく が運営する個別指導塾「Pletz」では、「評価アプリケーション」を導入している。Webアプリケーション上で、生徒の保護者が担当の講師を評価する仕組みだ。

授業レポートや生徒の反応をもとに、保護者は、担当講師を5段階で評価する。保護者の安心感を高め、サービスの向上につながる。

最も注目したいのは、アルバイト講師の「報酬設定制度」だ。Pletzでは、保護者からの評価をもとに、自らの「授業単価」を自分で設定することができる。今までの塾では、決まった時給で働いていたが、Pletzでは給料を評価によって自由に伸ばすことができるのだ。

また、ITを駆使して評価経済社会を実現したサービスに、「VALU」がある。

VALUではユーザーの審査を行い、個人の市場価値を「オンライン上の影響力」から換算する。ユーザーは仮想通貨を通して模擬株式「VA」を発行し、他のユーザーに購入してもらうことで資金の調達ができる。

VALUは、ビットコインという世界共通の通貨を用いて、インターネットというフラットな場で運用される。個人が世界中から金銭的な支援を受けることが可能だ。いかに独自の価値を提供していくかを考える個人が、力を最大化するためのプラットフォームの1つといえるだろう。現状ではアイドルやYouTuberへの投げ銭的役割や、経営者が支援を受ける代わりに、経営の相談に乗るなどの事例が生まれている。

政治を「エンターテイン」したい

ポリポリは政治というイノベーションが遅れている分野を「エンターテイン」したいという。そのために、トークンエコノミーという新しい概念を用いて評価経済モデルを導入した。

果たして、「政治」という一見とっつきにくい分野をイノベーションできるか、期待したいところだ。

img: PR TIMES , Pletz , VALU

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