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インターネットの普及はECの拡大を後押しし、さらには二次流通商品の売買を簡単かつスピーディーなものにしている。ひと昔前であればオークション形式や、商品を業者に送付し、査定を行うというものだったが、即時買取サービスの出現で市場の形も様々に広がってきている。
即時買取の場合、素早い査定が必要となるが、今回目の前のアイテムを一瞬でキャッシュ(現金)に変えられるアプリ「CASH(キャッシュ)」を運営する株式会社バンクが2018年5月9日より、 事業者向けのアプリ「CASH PRO(キャッシュプロ)」のサービスを開始する。
写真を撮るだけでキャッシュを受け取ることができる
「CASH」は対象アイテムの写真を撮るだけで、すぐにキャッシュを受け取ることができるスマホアプリだ。iOSとAndroidに対応しており、ダウンロードしてアプリを開き、キャッシュにしたいアイテムのブランド、カテゴリ、コンディションを選択し、撮影する。
そうすると、すぐに査定額が表示されるので、「今すぐキャッシュにする」を選択すれば現金化することができるのだ。後は、宅配業者の集荷を待つだけ。買取価格には1,000円から20,000円という下限と上限が設定されている。
対象商品は、ファッションアイテムと、ガジェット。ユーザーは、アイテムをキャッシュに変えた後、2週間以内にアイテムを送る。
「CASH」は、2017年6月に、社員6人のスタートアップである株式会社バンクによってリリースされた。しかしリリース直後に、利用者の数が想定を超え、16時間で一旦サービスを停止するほどの人気を博した。
そして2017年11月にはDMM.comに、70億円で買収された。スタートアップの買収が盛んなDMM.comの傘下に入ることで、安定的なサービスの提供が可能になった。
さらに、株式会社バンクが「CASH」での買い取りアイテムとして、新たに外貨、金券・商品券のカテゴリを追加した。追加されたのは、外貨、金券・商品券のカテゴリである。扱うのは、外貨紙幣・コイン11種類、金券・商品券40種類からで、今後増やす予定だという。
CASHの機能をあらゆる事業者向けに開発したアプリ
今回の「CASH PRO」は、「CASH」の機能を、家事代行サービス・修理店舗・ハウスクリーニングサービスなどといった、あらゆる事業者向けに開発したアプリだ。
第一弾としてスタートするのは、「アップル引越センター」を運営する株式会社アップルとのコラボレーションである。これは、CASH PROを搭載したタブレット端末を訪問先にスタッフが持参し、ユーザーの売りたいアイテムを撮影、買取り、換金、アイテムの集荷までをその場で行うというもの。
買取りが成立したキャッシュを引越し代金の一部としてそのまま利用できるという、アプリを使用したこれまでにないサービスである。
また、通常2万円の買取り上限は設けず、ユーザーは好きなだけ、アイテムを売ることができるのも特徴だ。処分に困る不良品の買取りも可能となる。 サービス開始時に対象となるのはアパレルアイテムのみである。
CASH PROは、あらゆる分野との協業が可能で、家事代行サービス・修理店舗・ハウスクリーニングサービスなどとの提携が今後予定されているという。
素人でも簡単に査定ができる時代に
これまで、商品の査定というものは、知識を持ったいわゆる「プロ」でなければできない仕事だった。しかし、テクノロジーの進化はそれを大きく変えようとしている。
CASHのようなアプリがあれば、素人でも簡単に査定ができるため、機会損失や二次流通商品の確保を実現することができる。即時買取サービスだからこそできる機会創出は、今後もその分野を広げていくかもしれない。