AIとARが理想のマイホームを何もない土地に映し出す?テクノロジーの進化は不動産業界にもイノベーションを

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ないものをイメージする、それは人間に与えられた想像力という力だが、実際に何かを生み出す時は設計をし、プロトタイピングをし、というようなさまざまな作業を経て完成図を描くものだ。その完成図をみて人は良し悪しを判断していく。

その完成図は、これまで上記のような手間と時間がかかり、しかも、専門家に頼まなくてはならず、なかなか自分のイメージに沿ったものにすることは難しかったのではないだろうか。

ところが今回、スマホをかざすだけで何もない土地にARで建設予定の住宅を出現させることができるという技術が登場した。

VRなどの新技術を使った住宅販売を展開する株式会社ジブンハウスは、VR/MR研究の第一人者・東京大学生産技術研究所の大石岳史准教授と株式会社アスカラボとの共同研究で、AIが消費者の好みやライフスタイルに合わせて住宅の構造や間取り、土地などを提案する技術を開発した。

この技術は、住宅の建設候補地でスマホをかざすと、何もない土地にARで建設予定の住宅を出現させることができるというもの。ジブンハウスはこの新技術を今秋にもサービス化する予定で、マイホーム購入はもちろん、全国で問題になっている空き家対策の解消にもこの技術を活用していきたいと考えているという。

時間と手間がかかるマイホーム購入

まず、従来のマイホーム購入の流れをみていこう。全国の賃貸住宅の部屋探しや不動産購入をサポートする情報サイトSUUMO​によると、その流れは以下の11の作業からなる。

  1. 情報収集
  2. 問い合わせ・物件見学
  3. 絞り込み
  4. 購入申し込み
  5. 住宅ローン事前審査
  6. 重要事項説明と契約書の確認
  7. 契約
  8. 住宅ローン申し込み~ローン契約
  9. 内覧チェック
  10. 残金決済
  11. 引渡し・入居

ざっとみただけでもこれだけの作業を行わなければならない。しかも、これは、建売の一戸建てやマンションや中古などの、すでに出来上がっている物件の購入の場合であり、新築を建てるとなると、これに設計や完成図の作成などさらに手間がかかることになる。

最近では建売住宅にしても、建物の完成前に販売を行う物件が多いという。このため、完成した家の様子をイメージすることが大切で、これによって、購入の成否が左右されると言っても過言ではない。

スマホをかざすとARで建設予定の住宅が出現

今回開発した新技術は、AIが消費者の好みやライフスタイルに合わせて住宅の構造や間取り、土地などを提案してくれるというもの。

さらに住宅の建設候補地でスマホをかざすと、何もない土地にARで建設予定の住宅を出現させることができるという。実際に提案された土地に行き、スマホでアプリを起動してその土地に向けてかざすと、AR技術によってまるでその土地に実際に建物が建っているかのような、リアルな完成予想図を見ることができるのだ。

IT化する不動産業界

このように不動産業界にもIT化の波が押し寄せている。たとえば、ケイアイスター不動産株式会社は、2017年12月より株式会社ライナフが提供する「スマート内覧」を同社の一部物件を対象に試験導入を始めた。

スマート内覧は、携帯電話を利用して、セルフで内覧できるサービスだ。専用のサイトからアカウント登録(無料)をし、webカレンダーより内覧したい物件の空き状況を確認した上で、空いている中から希望の時間をオンラインで予約する。

予約当日、ユーザーのみで現地に向かい、アカウント登録した携帯電話で「開錠」ボタンを押すと、施錠されている鍵が開き、自由に内覧することができる。退出の際も開錠同様に携帯電話から施錠をすることができるという仕組みだ。

これは、玄関のシリンダーに直接貼り付けることが出来る「NinjaLock」というドアロックシステムを使用し、予約されている携帯電話の情報を確認し、予約時間内のみ開錠・施錠の指示を受け取ることができるもの。

また、2017年は日本市場でスマートスピーカーの発売が相次いだ。今後スマートスピーカーが普及すれば、スマートホーム化は一層進む可能性を秘めている。営業スタッフを必要としない代わりに、内覧先の物件にスマートスピーカーが備え付けられていて、内覧者の要望に応える、というスタイルが出来上がるかもしれない。

ユーザーにとってこれ以上ない安心感

これまでは新築一戸建ての場合、ユーザーは実際に家ができるまではなかなか安心できなかったのではないだろうか。

これに対し、今回の新技術はスマホを自分のイメージ通りの家が見える。しかも、建設するその現地で簡単に確認できるというのは、ユーザーにとってこれ以上ない安心感を与えてくれる。テクノロジーの進化は不動産にも革命を起こすのかもしれない。

img: ​PR TIMES

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