ビジネスをしていると、契約書というものはつきものだ。しかし、専門知識がないかぎり、その作業は煩雑さを極めるものになっているという現実があるのではないだろうか。

また、専門性が高いため、法務部門のない会社などは弁護士や税理士などに頼むことになるが、これによるコストと手間は小さいものではない。

そんな問題をAIが解決してくれるサービスがある。AI契約レビュー「AI-CON(アイコン)」を開発・運営するGVA TECH株式会社は、専門知識がなくても、手間なく簡単な契約書レビューを可能にする「AI-CON​」正式版のサービスを開始した。

AIとクラウドを最大限活用したレビューサービス

AI-CONは、AIとクラウドを最大限活用し、これまで面倒で難しかった契約書レビューを、可能な限り自動化し、契約をより簡単で身近なものへと変えるために開発されたAI契約書レビューサービスだ。

契約書をアップするだけで1営業日以内に条文ごとのリスク評価や修正例などのフィードバックをもらえるという。

同社では、2017年秋頃からクローズドβ版、2017年末頃からオープンβ版を運用し、ユーザーからのフィードバックを蓄積し、「AI-CON」の改善を続けてきた。そして、今回、「AI-CON」正式版のリリースにいたったもの。

最大の特徴は、契約書のリスク判定機能だ。従来、条文を読み込むことによって法的な意味を判別しなければならないものを「不利」「やや不利」「適切」「やや有利」「有利」の5段階の指標を使うことによって、法律の専門家以外でも直感的に法的な意味を理解することができるようになる。

価格は1通1万円。今後はさらに下げる予定も

具体的には次のような5つの機能と特徴を備えている。

  1. 契約書をアップロードして待つだけ。1営業日以内のフィードバック。
    「AI-CON」に契約書をアップロードするだけで、1営業日以内でフィードバックが戻ってくる。
  2. 5段階の指標を活用。法的意味を直感的に理解可能に。
    フィードバックの画面は、条文ごとに「不利」「やや不利」「適切」「やや有利」「有利」の5段階の指標を使っている。そのことにより、法律の専門家以外でも直感的に法的な意味を理解することができるものとなっているという。

  1. 自社により有利にする条項案も確認できる。
    自社に「不利」「やや不利」と評価された条項については、より自社に有利な条項案についても確認が可能。条項案を参考に自社で条文の修正を行い、契約締結交渉を有利に進めることができる。
  2. 抜けている条文についてもアラートが出て安心。
    当該類型の契約書に通常含まれている条項がない場合には、アラートがでるようになっているため、本来あるべき条項が漏れるリスクを最小化する。
  3. 価格は1通1万円、NDAは無料キャンペーン中。
    現在はリスク判定の精度を重視してGVA法律事務所の弁護士も稼働をしていることから価格は1通1万円となっている。今後は、より自動化の精度を上げて価格を下げていくことを目指すという。


対応契約類型は、以下の通り。

秘密保持契約(NDA)、業務委託契約、人材紹介契約、システム開発契約、保守契約、ライセンス契約、販売代理店契約、アドバイザリー契約、コンテンツ制作契約、オフィス賃貸借契約、製造委託契約、広告代理店契約、SaaS利用規約など。

今後は、

  • 自社のテンプレートと取引先からの契約書を比較できる機能
  • 自社の条文をAI-CON内にストックできる機能
  • 不利な条項と自社に有利な条項とを差し替えてWordに反映できる機能

を追加する予定だ。

これらについて、ユーザーからのフィードバックの一例をご紹介する。

「レビューが来るタイミングがすごく早くて感動しました。有利不利がグラフで分かるので、契約書を読み慣れていない私でもわかりやすいです。」

「条項がどのような意味があるのかをコメントによる解説があるのでとても理解が早かったです。」

「条項の修正例が載っており、これをそのまま相手に提案することもできるので使っている側が頭を動かすことがないので大変ありがたいです。」

利用方法は3ステップで完了

具体的な利用方法は3ステップで簡単に終わる。まず、Step1として契約書のアップロードを行う。これは、契約書(wordまたはpdf)をAI-CONにアップロードすると、1営業日以内にフィードバックが届く。

次にStep2として条項リスク判定を行う。これにより、当該契約類型に必須の条項のチェックや自社に不利な条項の判定がされてリスクが見える化される。

最後にStep3として条項修正案レコメンドを行う。これは、リスクが大きい条文について、修正条文案を確認することもできるという。

人手によるグーグル検索代行サービスも

このような代行サービスは何もAIを活用したものばかりではない。人の手を使ったこんなサービスもある。米国発のグーグル検索代行サービスの「Wonder(ワンダー)」は、どんなウェブリサーチ案件も24時間以内、75ドルで代行してくれるというもの。

最短24時間以内にどんなリサーチ案件も代行し、グーグル検索をもとにした調査結果を綺麗なレポートにして提供してくれる。料金は1回当たり75ドルほどだ。

主なターゲット顧客はビジネスマンで、企業のリサーチ業務の外注先としても使われている。なかには、全米の企業収入上位500社にランキングされる『フォーチュン500』にも企業顧客を持つ。コンサルからメディア企業、起業家までの幅広いビジネス層が利用しているという。

創業者であるJustin Wohlstadter氏は次のようにコメントしている。

「私たちが行っているのは、『知識』を効率的に届けるネットワーク構築です。たしかに『Google』は私たちにとって欠かせないサービスではあります。ですが、『情報』を整理するだけであり、そこからどのような結果・洞察が得られるのかわかりません。どのようにしたらバラバラになった情報をまとめ、『知識』として効率的にユーザーに届けられるのかと考えた結果、『Wonder』のアイデアに行き着きました」

また、Justin氏が利用シーンの一例としてニュースメディアでの活用を挙げている。これから取材に当たる人の経歴を調べる際、大手新聞社やテレビメディアの記者から「聞くべき質問リストをすぐに送ってほしい」という問い合わせが多いという。

本格的なリサーチャーは雇えないなか、随時最新ニュースの編集・撮影に取り掛からないといけないメディアならではの組織課題を、「Wonder」にリサーチ外注することで解決している。

他にも具体的な事例として、コンサル業界での活用などがあるという。

AIの進化で多様化・分業化が進むビジネス

AI-CONの強みは、その速さと1通1万円という安さだろう。とにかく安くて、専門家に関わってもらう必要がないということも非常にポイントが高い。

契約に限らず今後、いろんな作業が外注化されていくだろう。そこにはやはりAIの進化が背景にある。

AIによってこれまで不可能だったいろんなことが可能になった。これに伴いビジネスも多様化し、分業化の促進スピードはますます早くなっていくだろう。

img: ​PR TIMES