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あらゆるものがデジタル化し、進化する現代。企業としては新しいサービスやトレンドが生まれる度にどうマーケティングを展開するべきかを悩み、トライアンドエラーを繰り返しながら模索している。
特に最近では、スマホやタブレットの高機能化もあって、企業にとってはモバイルマーケティングが気になるところだろう。
イスラエルに研究開発拠点を置くYouAppi(ユーアッピ)は、グローバル企業のCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)425人を対象にアンケート調査を実施し、今後1年間のモバイルマーケティングの動向を明らかにした「第2回CMOモバイルマーケティングガイド調査」の結果を公開した。
モバイルマーケティングの今後のトレンドを分析
ユーアッピ は2012年に設立された企業だ。米国をはじめ・欧州・中東・アジア地域を含めたグローバル企業の広告主・パブリッシャーに向けたアプリ広告配信プラットフォームを提供している。
今回、ユーアッピは、日々進化を遂げるモバイルマーケティング領域において、今後1年間のグローバルトレンドを分析し、デジタル・モバイル事業、ならびにマーケティング担当者のビジネス発展に寄与することを目的として調査を実施した。
その結果、回答者の85%が、2018年に動画広告への予算を増加すると回答した一方で、動画広告予算を削減すると答えた回答者はわずか1%だった。
また、ソーシャルメディア、アプリ、モバイルウェブサイトなど多くのチャネルにおいて動画広告が増加する傾向にあることがわかった。
そして、動画広告に対する懸念点としてはアドフラウドがトップとなったほか、効果測定やターゲット設定の難しさなどの回答が見られた。
以下で詳しくみていこう。
回答者の85%が昨年比10%以上の予算を動画広告に投資
まず、上のグラフを見て欲しい。この調査では、回答者の85%が昨年比で10%以上の予算を動画広告に投資する予定であることがわかった。
具体的な動画広告の利用目的としては、新規ユーザー獲得が71%、ブランド認知が65%、エンゲージメント強化が56%、リエンゲージメントが40%、セグメンテーション31%の順だった。
これらにより、動画広告がモバイルユーザーのカスタマージャーニーにおいて非常に重要視されていることが明らかになった。
また、上のグラフからは、各チャネルにおける動画広告の利用率においても増加が見られる。
トップのソーシャルメディアでは昨年比13ポイント増の61%となったほか、アプリが56%、モバイルウェブサイトが42%といずれのチャネルでも動画の利用増加が見られた。
動画リワード広告に関しては昨年同様、回答者の約3分の1が2018年も引き続き動画リワード広告への出稿を計画していると回答した。
一方、2018年にモバイルマーケティングで動画広告を利用する予定がないと答えた回答者は、昨年比4ポイント減のわずか7%という結果になった。
動画広告の課題トップ「アドフラウド」とは?
この調査では、動画広告を展開する際の課題についての設問も設けており、上記グラフがその結果だ。これをみると、動画広告で課題と考えられている点は、アドフラウド対策が48%と最も高く、続いて効果測定の難しさが45%、ターゲティング方法が26%、ビューアビリティに対する課題が23%との回答が得られている。
ここでトップとなった「アドフラウド」とは、悪意のあるプログラムなどでサイトの表示回数を不正に増加させ、広告費をだまし取ることである。その被害額は、調査会社フォレスター・リサーチ(Forrester Research)によると、2016年は推定74億ドル(約8,300億円)に達したという。
ところが、アドプラットフォーム事業者Supership(スーパーシップ)とアドベリフィケーション企業Momentum(モメンタム)が共同で実施した『アドベリフィケーション』に関するマーケッターの意識調査によると、なんと日本国内上場企業のマーケッターの7~8割は、「アドフラウド」について、用語も意味も知らないという。このため、世界的にも被害は増加の一途をたどっている中、特に日本での被害が大きい。
また、2018年、ユーザーとのエンゲージメント構築のためにどのようなテクノロジーを導入するかという設問では、機械学習が(昨年比12%増の49%、人工知能が同13%増の36%と、モバイルペイやチャトボットといった他のテクノロジーを大きく引き離す結果となった。
モバイルにおける動画利用ニーズは増加の一途を
今回の調査結果から、大半の事業者が2018年にモバイルマーケティングで動画広告を利用する予定で、投資も増加する意欲を見せていることがわかった。
ユーアッピでは今回の調査の結果から、機械学習と人工知能を活用し、広告のパフォーマンス最適化を行っていくという。また、広告主が安心して出稿できるようアドフラウド対策を徹底して行なっていく方針だ。
このように、今後もモバイルでの動画利用に対する消費者のニーズはどんどん高くなっていくだろう。そこにどんなマーケティング施策を行うかによって、今後の成長が左右されることになるだろう。
img: PR TIMES