“民泊”と“荷物預かりサービス”がコラボ!シェアリングサービスの掛け合わせが生む新たな旅行スタイル

昔に比べると、「旅行する」ということに対するハードルはとても低いものになっただろう。

地図はもちろん、観光地の情報やそれに付随する周辺のグルメ情報まで、スマホ1台で手に入る。そして民泊が普通になってきたことから、宿探しの選択肢も広がり、コストの低下も実現してきている。

そして、旅行中につきものである大きな荷物、これを気軽に預けることができるコインロッカーもさまざまな場所が代替するような時代がきている。

この荷物一時預かりサービスと民泊がコラボレーションすることで、強力なサービスが登場した。荷物一時預かりサービス「ecbo cloak(エクボクローク)」を運営するecbo株式会社は、メトロエンジン株式会社と業務提携した。これにより、民泊のクラウド運営ツール「民泊ダッシュボード」内の、ゲスト対応ツール「メトロチャット」に、ecbo cloakが導入された。

ボタン一つで民泊物件周辺のecbo cloakの店舗を紹介

この業務提携によって提供される新しいシステムは、民泊を利用するゲストから荷物の預かり場所についての問い合わせが来ると、「民泊ダッシュボード」を利用する民泊オーナーは、ボタン一つで宿泊予定の民泊物件周辺のecbo cloakの店舗を紹介することができるというもの。

上の図はシステムのホストのフローである。まずStep1として、メトロチャットのテンプレートから「ecboの荷物預かり」を選択する。そしてStep2としてURLをゲストへ送信する。この2工程でホスト側はフローが完了する。

また、この図はシステムの宿泊者側のフローを示したものである。Step1として、預け場所を探す。Step2として預け場所を予約する。そして、Step3として、チェックインの際に荷物を預けるを選ぶ。最後にStep4として、チェックアウトの際に荷物を引き取るを選択する。この4工程で完了する。

この連携により、民泊の宿泊者は民泊施設へチェックイン前/チェックアウト後に近隣のecbo cloakの施設情報を得ることができる。

そして、観光時の荷物移動やコインロッカー探しの手間の軽減やホストのゲスト対応の手間が大きく削減することも可能になるのだ。

このように、民泊側、宿泊者側ともにメリットのあるシステムになっている。

荷物を預けたい人と預かる店舗をつなぐecbo cloak

ecbo cloakは、ecbo(エクボ)株式会社が運営する店舗の空きスペースに荷物を預かってもらう『荷物を預けたい人』と『荷物を預かるスペースを持つお店』をつなぐ、シェアリングサービスだ。

たとえば、東京であれば、駅前でコインロッカーを探す訪日観光客の姿を目にしない日のほうが珍しいほど、コインロッカーのニーズが高い。そのコインロッカーの役割を店舗に担ってもらうというサービスである。

『外国人観光客に来てもらいたい』『空いている場所を有効活用したい』という店舗のニーズと、『荷物を預けたい』と考える訪日観光客をマッチングし、『店舗に預けに行く』という行動を発生させるのがecbo cloakの役割なのだ。

実際にecbo cloakを導入している渋谷のカフェ「factory」のオーナー・西原典夫氏は導入後の変化を、
「factoryでは、リスクやコストなしでメディアやサービス内での露出が狙えると考えて、ecbo cloakを導入しました。当店の場合、観光客狙いというより、リテラシーが高いアーリーアダプターの人たちへのアプローチを狙いました。収益を上げることはそこまで期待していませんでしたが、駅から離れた立地にも関わらずユーザーは足を運んでくださいますし、認知の獲得にはつながっているのではないかと感じます。これからの成長に期待したいサービスだと思っています」
と語っている。

全てを一括管理しホストの手間を削減する民泊ダッシュボード

一方、「民泊ダッシュボード」はメトロエンジン株式会社が運営する民泊クラウド運営ツールである。特に複数の民泊物件アカウントを管理する代行業者が効率的かつ包括的に運営できるようサポートする国内初の総合プラットフォームだ。Airbnbの民泊データを保有する同社のビックデータを活用している。

具体的には、各物件のホストとの連絡からチェックイン、清掃の管理までこのツールで全てを一括管理できることで、ホストの手間の削減やよりホストも素早い対応を受けることができるのだ。

このシステムでは、4つの特徴として、1.物件管理の削減、2.売り上げの最大化、3.IoTでスマート管理、4.複数の民泊サイトに対応、を挙げている。

  1. 物件管理の削減

  2. ゲスト対応の自動化、複数アカウントの一元管理、清掃の自動依頼、自動チェックインサービスなどで民泊運営の手間を大幅に削減する。

  3. 売上の最大化
    全国5万件の民泊データによる推奨客室単価で売上を最大化するという。また、収益シミュレーションができるほか、総合物件の稼働率や収益額も把握できる。
  4. IoTでスマート管理
    騒音センサー「ポイント」やスマートロックとの連携で、民泊の無人管理を助ける。また、テレビ電話で本人確認できるチェックインサービスも提供する。
  5. 複数の民泊サイトに対応
    Agoda、AsiaYoなど複数の民泊サイトやOTAと接続を行うことでダブルブッキングを防げるほか、予約状況をカレンダーで把握できる。

民泊と荷物預かりの課題を解決する今回の提携

これまで、民泊と荷物預かりについては、さまざまな課題があった。たとえば、ecbo cloakでは、訪日観光客の民泊利用の増加により、民泊利用のゲストの荷物預かり需要が高まる傾向にある。しかし、ホテルとは異なりクロークを持たない民泊では、チェックイン前やチェックアウト後のゲストの荷物を預かることができない。

また、民泊オーナー側としても、荷物預かりに関する問い合わせが多いにもかかわらず物件近くにコインロッカーがないなど、課題が多い。

さらに、ecbo cloakは、東京をはじめとする全国主要都市でサービスを展開しているが、全体の利用をみると、主要駅周辺の店舗へ利用が集中する傾向にあるという。

今回の提携・導入はこれらの課題の解決を狙ったものだ。この提携により、以下の実現を目指す。

この提携が民泊にもたらすものとは?

観光庁が発表した「訪日外国人消費動向調査」によると、「有償での住宅宿泊」(民泊)の2017年7~9月期における訪日外国人旅行者の「有償での住宅宿泊」の利用率は12.4%であった。
また、訪日外国人旅行者のうち「観光・レジャー」目的客の「有償での住宅宿泊(民泊)」利用率は14.9%であり、訪日外国人旅行者全体での同利用率に比べ高いことがわかった。

2020年の東京オリンピックに向けて、これからますますインバウンドの民泊需要や荷物預かりの需要が高まっていくことが予想される。

両社は、今回の提携で、既存の荷物預かり課題の解決だけでなく、日本でのおもてなし体験と手ぶら観光の促進に繋げていくとしている。インバウンド需要だけでなく、我々国内の旅行者でも気軽に、そして簡単に民泊できる日はもうそこまで来ているのだ。

img: PR TIMES ,

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